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 文書質問
   都立高校統廃合計画について
        清水 ひで子 (日本共産党・八王子選出)
都教委が10月に決定を予定している「都立高校改革推進計画」にたいして、この間、統廃合の関係者だけでなく、多くの都民からきびしい批判が出されてきました。私の地元・八王子でも第二商業高校と八王子工業高校を統合しようとしていることについて、かつてない反対の声があげられています。しかし、都教委はそうした関係者の声を真摯に受け止めようとはせず、十月の決定を強行しようとしていますが、ぜひ引き続き関係者の意見を受け止め、再検討を求めるものです。
いくつかの問題がありますが、八王子に予定されている第二商業高校と八王子工業高校を統合し、産業高校を設置しようとしている問題と 中高一貫高校について伺います。
統合の対象とされている都立第二商業高校は、創立82年の歴史と伝統を持つ都内有数の伝統校です。「商業科」「情報処理科」の6学級の都立商業高校の中でもっともレベルが高い商業高校という評価をうけています。
数年前までの生徒応募状況の低迷や、中途退学者の増加にたいする危機感のなかで、学校改革計画を策定し、近年、充実した商業教育で成果をあげてきました。
経済産業省主催の国家試験、システムアドミニストレータ(情報処理技術者試験)では、合格者が都内高校生の約半数を二商生で占めるほどの実績をあげるまでになり、都内では最高、全国的にみてもトップレベルの成果をあげています。 充実した情報処理設備を有効に生かし、急速な情報技術の進展にも対応できるよう、コンピューターを利用する側の立場での専門性をいかした情報処理教育に内容を変更し、ビジネスの世界で情報通信技術に精通し、経営、財務の知識も豊富な人材の育成に努め、その取り組みは海外からも評価され、名実ともに東京のIT教育先進校となっているのです。
このような成果が中学生にもひろがり、入学を希望する中学生が増え、この二年間では、毎年一月に発表される中学校長会の志望校調査や推薦入試、二月の一般入試の受験者数でも、都内有数の競争倍率が記録されています。そして、卒業生は八王子を中心に社会のさまざまな方面で活躍し、同窓会が活発に活動し母校の支援に取り組んでいるのです。
都立八王子工業高校は、百十五年の歴史をもち、都立高校では二番目に古い学校です。地元八王子の染織業界が創設し、「応用デザイン科」「カラーリングアーツ科」「工業化学科」「機械科」「電気科」などきわめてユニークな内容を持ち、地域文化的価値もある学校です。 二つの学校、特に第二商業高校関係者は、今回統合の対象にされたことに大変驚き、怒りの声が出され、関係方面へ反対のはたらきかけを行い、都への要望書も一万五千人を超えて提出されました。八王子工業高校の生徒や卒業生は「百十五年の歴史があるのが自慢だった。学校で最初に教わったのが伝統です。八王子で大事にされてきた学校ではないか」と、個人で全都を訴えてまわっています。
こうした声にこたえて八王子市議会でも第三回定例会で「都立第二商業高校の措置に対し、見直しを求める意見書」を採択しました。 七月二十七日に行われた都立二商の説明会では、卒業生、PTA関係者から配置計画にきびしい批判がだされました。
「専門高校検討委員会報告書の検討経過の中でいつの時点で二商が産業高校とされたのか。現在の二商をどのように評価しているのか。報告書には専門高校の問題点を指摘しているが、二商にはあてはまらない。情報処理教育の先進校でこんなすばらしい学校をあなたはつぶそうとしているのですよ。先生方は研究を重ねてトップクラスにした。一時は低迷したこともあったが、校内改革をしてがんばってきた。お金が必要なときには同窓会が援助して先生方は夏休みも冬休みもないくらいがんばってきた。二商のよさを中学生にわかってもらおうとやってきた。都内で唯一の学校をなぜつぶすのですか。二商をつぶさなくてはならない、どんな問題があるのか教えてください。」
集まりは、予定時間を越えて質問が相次ぎました。この間「新配置計画」に関し、数十箇所の説明会が開かれましたが、そのなかで、最も多い四百人以上が参加したことは、二商を対象校とすることに、関係者が非常に大きな批判をもっていることの証明でもあるのではないでしょうか。
このような「計画」に対する批判、説明会でだされた関係者の批判をどのように受け止めるのですか。  改革に取り組み、大きな成果を上げ、地域に密着した歴史ある2校をなぜ統合するのですか。両校の伝統やこの間の成果を、確実にひきつげる保障があると考えているのでしょうか、あわせて伺います。

産業高校の学科については、今後検討をするとしていますが、すでにモデルとして示されている履修内容に対して、関係者からも卒業生からも、疑問がだされています。
高等学校の学科は学校教育法関連法規によって決められていますが、@普通科、A専門学科(商、工、農、家庭、水産、美術、音楽、体育、国際)B 総合学科であり、産業科は現在含まれていないのではないですか。Aの専門学科は専門の科目を一定以上習得しないとその学科を卒業できませんが、産業高校のモデル履修事業内容では、専門学科を十単位程度の履修となっています。これでどうして専門学科といえるのですか。モデルとされている科目の履修で、どんなことを高校で学ぶのかが不明確であり、普通科目の単位数が少なく、国民が等しく学ぶ、共通の教養さえ履修しないことになります。専門的な教科目も科学的理論的に体系だっておらず、すぐに役に立つが、すぐに役に立たなくなる雑多な科目の寄せ集めで、卒業後に自分の進路を切り開く力も、中途半端な科目学習のみで就職、進学が一層困難になると指摘されているのではないですか。現在の都立高校の共通の目標は、どの生徒にも共通の学力、教養を保障することではないのでしょか。
また「こんな勉強をしていたのではシステムアドミニストレーターは取れない。」卒業生は説明会でこう発言しました。
 第二商業高校が進めてきた教育内容に比較して、都が予定している産業高校の内容では、求められている「産業人」としての力量を身につけることは不可能ではないですか。
「都立二商を情報高校として発展させることによって目的が達成できるのではないか」という関係者の意見に耳を傾けることが重要です。都立二商と八王子工業の統合の計画は見直すべであると考えますが、どうですか。
また、重大なことは八王子地区の中学生の高校進学にも大きな影響が予想されることです。これまでの都立高校改革第二次計画で、すでに都立館高校・都立高稜高校の統廃合計画が実施されていますが、入学枠が削減されました。さらに南多摩高校の中高一貫校が実施されれば、合計二.五校分の定員の削減となるものです。これでは地域の高校進学状況が大きく変化し、中学生にとっては一層の狭き門となり、大きな負担となることが予想されます。
中学生の数がいま、減少傾向にありますが、これは、受験競争の緩和や教育条件整備のチャンスとなるものです。にもかかわらず、これだけの統廃合をすすめてしまったら、高校受験の競争は、いまよりもっと激しいものになってしまうのではないでしょうか。伺います。 次に中高一貫校について伺います。
「新配置計画」では中高一貫校を九校開校するとしています。すでに都立大付属高校と千代田区が計画している一校も加えれば十一の中高一貫校が新設されることになります。
しかし、都教委が中高一貫のねらいとして中等教育の「複線化」を掲げていることや、市立の小中学校教育への影響など、既存の中等教育のシステムの大きな変更をもたらすにもかかわらず、それにふさわしい都民と関係者の合意は全く図られていません。
八王子の都立南多摩高校が中高一貫になれば、日野、町田、八王子をはじめ、京王線・JR中央線沿線の小学生が入学を希望することが予測されます。府中や調布などからも通学可能でしょう。中学部の定員は、三学級なら、百二十人、四学級なら百六十人です。一方、日野、町田、八王子の小学校だけでも百二十数校あります。平均すれば小学校一校から一人の児童が入学できるかどうか、という狭き門です。たとえ学力検査は行わなかったとしても、激しい受験競争にまきこまれることは必至ではないでしょうか。八王子市でも学校選択性の導入が検討されていますが「中高一貫校に入りやすい小学校」などと宣伝され、小学校入学段階から激しい競争に巻き込まれることが予想されます。
 また、南多摩高校の隣には八王子市立五中があり、都立中と私立中が隣り合わせにできることになりますが、こうしたことの影響も含めて、該当の市教委をはじめ、小中の校長会、PTAなど関係団体と合意は図られていません。 このように現行の初等、中等教育システムに大きな影響をもたらし、市立の小中学校教育にも多大な影響を及ぼす中高一貫教育の導入は、慎重な上にも慎重を期すべきです。まして、都民と関係者の合意がないもとでは、導入は見合わせるのが常識と思いますが、答弁を求めます。
今年二月の都立高校の入試倍率は一.二六倍。一九九九年、二〇〇〇年に次いで過去三番目の高倍率で、入学辞退率は過去最低の一.六%でした。しかも経済的理由で都立高校しか受験できない生徒が増えています。全日制高校に行きたくても行けない中学生が毎年二〇〇〇人以上出ているのに、都立高校の統廃合をすすめるのは異常です。
東京の高校教育に求められているものは子どもの学ぶ権利に答えることではないでしょうか。高校進学を希望するすべての中学生の願いにこたえることです。そして、三〇人学級など、ゆきとどいた教育条件を整備して豊かな高校教育をおこなうことです。
「都立高校改革・新配置計画案」は、その方向とはまったく反対の方向をめざすものです。しかも計画の作り方も周知の仕方も一方的です。加えて一次、二次の計画の総括も教訓も出されていません。今定例会の代表質問で、教育長は「今後とも関係者の理解を得るように努める」と答弁しましたが、現状では都民の合意も関係者の理解も得られていません。十月の決定を延期し、都民参加で再検討することを求めるものです。見解を伺います。
 
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