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 地域破壊の超大型店出店のルールづくりを

文書質問をしました
                                                 2005.12.21

  水戸イオン実態調査の都議団(05.12.21)
[「都内各地で進む超大型店の出店」]

 この間、都内の大型店、なかでも超大型店舗の出店が相次ぎ、地元商店への影響のみならず、地域のまちづくりにとっても大きな問題となっています。

 2004年から2009年の5年間で計画・予定している2fを超える超大型店は、足立区の丸井の3.5f、江戸川の島忠ホームズが3.8f、大田区のイトーヨーカドーの5.9f、葛飾区のイトーヨーカドーの7.5fの、そして2009年に計画されている日の出町のイオンショッピングセンターは13.2fなど実に14ヶ所、合計面積約92fにも及んでいます。

 その一方で都内の従業員数4人以下の小売店は、94年には9万7023店あったものが04年には7万3085店へと、この10年間で2万3938店も減少し、75%と減ってしまいました。
 小売業の総売り場面積でみても、94年には大型店の占める割合が39.3%だったものが、02年には45.1%に、多摩地域では49.6%と、区部にくらべて多摩地域の大型店の占める割合が大きくなっています。

Q1
 商店街がもっている機能について、商業活動はもちろん、24時間住民としての中小企業は社会性を発揮して地域の核になっていること、地域の文化の伝承、発展として果たしている役割、人間が健全に成長する顔の見える、地域コミュニティの形成の場として、いつも子供たちに目の届く、街のあかりとしての街路灯のもつ防犯としての役割など多面的な機能、値打ちをもとに本格的な地域商店の再生にとりくむことを要求するものですがどうか、伺います。

[都内最大の日の出イオンショッピングセンター出店の広域規制を]

 中でも日の出町で計画されている「イオン日の出ショッピングセンター」の超大型店が大問題となっています。

 建築床面積約15万8000u、駐車場が約4690台、核店舗とサブ店舗そして専門店モール街で100店舗以上を予定しています。さらにシネマコンプレックスは1館300人単位の映画館で10館、施設の年間の利用者予定数は1300万人というまさに都内最大の巨大施設です。

 わたしが直接区画整理事務所を訪問し伺ったところによると、商圏は西多摩地域全体で約50万人、自動車で30分と聞きました。

 予定地はもともと農業振興地域となっていたところで、すでに農振地域解除が許可されています。近隣の青梅インター近くにはカインズホームが出店しており、その他東急、オザムなどが出店していて、これらをも飲み込んでしまうような計画となっているのです。

 すでに実施された「環境影響評価調査計画書」では、隣市のあきる野市長が大気汚染、騒音、振動への個別事項として、「病院、学校、福祉施設、住宅等が近接する中、市民の生活環境に影響を及ぼす要因のひとつとして捉えている」という意見も出しています。
説明による自動車30分という商圏は都内だけでなくまさに他の県まで影響が及ぶことになるのです。

 ところが現在、出店の計画を把握できるのはほぼ日の出町、あきる野市民だけとなっていて、周辺市、八王子市はもちろん、神奈川県民、山梨県民、埼玉県民にも知らされていません。

 東京工業大学の中井検祐教授は05年12月7日の日本経済新聞の中で、こういっています。

 「大きな集客力を有し、広域に影響を与えるような施設は、もともと人と活動の集積した都市の中心部にしか立地しないと考えられてきた。
 しかし、モータリゼーションの進展により、このような前提は成立しなくなった。土地利用規制の第2の問題は広域調整の欠如である。市町村に多くの決定権限がある。しかし、大規模商業施設のような広域的都市機能の影響範囲は明らかに1つの市町村を超える。
ある市町村が中心市街地の再生を図ろうと郊外の立地規制を厳しくしても隣接する市町村にその気がなければ厳しい規制の意味はない。
問題は広域的な都市構造にあるからその解決も広域的な視点から行わなければならない。
――まず広域土地利用計画の導入である。――市町村を超えた広域的な意思決定が担保されるよう、市町村の都市計画決定に当たって、関係市町村から申し出があれば、都道府県が調整にのりだせるような手続きも求められる」として持続可能な地域社会と地域経済を構築するためには「都市機能の拡散に歯止めを」と主張しているのです。

 そこでうかがいます。
圏央道日の出インターから数分に位置する「イオン日の出ショッピングセンター」は、周辺市、八王子市をはじめ三多摩、山梨、神奈川、埼玉など幅広い地域に影響を及ぼすことが予想されています。

Q2
都として日の出町のイオン出店について、日の出町、あきる野市だけでなく、近隣市町はもちろん、山梨、神奈川、埼玉など他県との協議を行うべきではないですか。

Q3
このような大規模な超大型店の進出は都内、近県も含め、大きな商業活動への影響が予測されることから、床面積の総量規制、ゾーン規制などで規制すべきではないですか、伺います。

[アメリカの圧力と、自民党政府の規制緩和策で、超大型店出店が野放しに]

 なぜこのような超大型店が全国に展開するようになったのでしょうか。
 少なくとも2000年までは日本では、大型店が出店する際に地元商業への影響を考慮し、店舗面積などで一定の調整を図る法律が存在していました。
 しかし、1985年アメリカが貿易赤字の解消を求め、小売業の規制が「貿易障壁」になっているとして緩和の圧力をかけ始めると、自民党政府は相次いで大型店の規制緩和策を実施したのです。
 95年行政改革推進委員会の「規制緩和の推進に関する意見書」によると、「規制緩和は構造改革の重要な手段のひとつで」あり、これを徹底して市場原理の導入をすれば「活気と魅力ある社会が実現できる」かのように言いました。
 そして「競争原理はとりもなおさず弱肉強食だ」とものべ「改革」の過程では「痛みや軋轢」が生じるがそれを乗り越えてすすむ、といって進めてきた。
 強いものが自由に行動できるようにし、痛みは自己責任だという論理で、徹底した規制緩和が進められ、まちの破壊が行われてきたのです。

 イオンモール株式会社は、事業展開がはじまった1992年の「イオン柏SC」以来、16期連続増収増益となっています。
今年5月に20店舗目の「イオン宮崎」がオープンし、2012年には50店舗体制の確立を目指し、ショッピングセンター事業デベロッパーとして世界トップ10入りを目指しているとイオン社内誌で社長が語っているように今後7年間で30店の増設を目指しており、どこに展開しようとしているか定かではありませんが、もしそれが都内で実施されるとすれば都内の商業活動に大きな影響が及ぼすことはさけられないでしょう。

[全国各地で広がる超大型店出店反対の流れ]

 しかし、各地で、もうこれでは街の商店はやっていけないという声が出され始め、福島県では県議会が「商業街づくり推進に関する条例」を可決した。面積6千平方b超の出店に届出や地元説明会を義務付けている。
県が目指す「歩いて暮らせるまちづくり」の方針に沿わない計画であれば修正を勧告でき、郊外出店を事実上拒否する内容となっています。
 この間福島県では県内の中心市街地では大型店の撤退、老舗デパートの倒産などで空洞化が進行し、2005年郊外に24時間営業の大型店が2つもオープンするなどの中で、県内の商工会からも条例制定を歓迎する声がよせられ、条例制定までにいたったのです。
秋田県、能代市ではイオンが提出していた農業振興地域の指定解除を求める申し出にたいし、「イオンの申し出に沿った農業振興地域整備計画の変更は行わない」と文書で回答したことを明らかにしました。
 琴平能代道路・能代インターチェンジ付近の約9.5fにショッピングセンターを計画していたもので、市長は回答書の中で「コンパクトな街づくりが必要」と強調し、郊外への大型店の出店はあらたな社会資本整備や行政需要を生じさせる、高齢者が暮らしていける街づくりや中心市街地活性化を目指すまちづくりを阻害する。地元商店、地元商業に大きな打撃を与えるなどを上げて、「計画の変更は行わない」としています。
 さらに北海道の帯広では売り場面積1万2000平方bの核店舗、非物販店舗5000平方b、計20000平方b、駐車場1250台分の内容で「スーパーイオン」が出店を計画していまし。出店予定地が第1種住宅地域で超大型店出店を禁止していたところですが、出店のために市の区画整理の大幅な変更を迫るなどしてきました。
 しかし、「イオンの進出をゆるしたら、もう中心市街地の活性化は無理だ」「地元デパートも倒産する」などの不安が商業者だけでなく、行政や消費からも出され、結局、市長が「環境配慮を求めた出店計画の詳細」の提出を求め、イオンは出店を断念したのです。

[大型店規制の流れは世界でも]

 一方、世界でも大型店規制の動きが出てきています。
 ドイツでは取り組みに温度差があるものの各自治体が「歩行者天国」や「環境保護地区」 を作り既存の商店街の保護、活性化に努力し、同時に大型店による乱暴な開店攻勢から守っています。
 中部のユーブルク市では市中心部への大型店集出は禁止、市郊外への出店も市内の既存商店に影響が及ぶさいには出店を認めていません。
 北のフレンスブルク市でも当局によって同じような方針がとられています。
 また、アメリカのバーモント州バーリントン市では「環境影響評価制度」によって周辺小売店への影響と社会的コストなどの経済環境への影響をもっとも厳しく評価している。
 カリフォルニア州バークリー市ではファーストフード店、衣料品店、宝石店など業種別店舗数制限のゾーニングを商店街ごとに定め、地域住民の生活環境、住環境を保全しているのです。
 さらにアメリカでは、さまざまな方面から小売業の必要性が主張されはじめました。
その内容は「コミュニティにおいては多様性を確保する必要がある。文化を創造するのに不可欠な要素としての多様性を確保すべきである」「教育上近隣小売店は不可欠である」「省エネルギー・大気汚染対策から必要であるなど社会学者、都市計画化、市民運動化、環境保護運動家等によってなされているのです。

Q4
 都としても、このような世界の動向を調査して研究史し、参考にし、都の施策にとりいれることを提案するものですがどうか。

 [「まちづくり3法」の改正を国に求めよ]

 全国で超大型店出店への反対の声が商業者をはじめ、自治体、消費者の間で進む中で、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会など中小企業4団体が見直しを要求しはじめました

 これらの団体は大店法を廃止し、街づくり3法が制定された際に容認する立場に立っていた団体が始めて見直しを要求したのです。
 中小企業4団体の『要望』には「まちづくり三法は当初期待された効果は得られず、全国の中心市街地は活性化するどころか三法制定時よりさらに寂れている」  「現実は市場主義の行き過ぎによりコミュニティが衰退、伝統、文化の継承が困難となり、治安や青少年問題が深刻化し、また高齢者が生活の不便を強いられるなど、さまざまな社会問題が増大している」  「既成市街地への官民投資が無駄になったり、大規模な農地転用や無秩序な郊外開発によって、良好な農地や田園風景が失われつつある」と指摘しています。
 いま「まちづくり三法」の下で、大型店の身勝手な出退店によって、まちづくりどころか「まちこわし」がすすんでいることが誰の目にもあきらかな現実として証明されてきており、地方から規制網、そして拒否の動きが強まっていますが、それは当然のことです。

こうした各地の動きが出される中で、国も「まちづくり三法」を見直すうごきが強まっています。
 11月18日 国土交通省は都市計画法を改正し、現在都市計画区域を用途別に「商業地域」「第1種住居地域」など12区域に分類し、現在は3000平米以上の店舗の出店は一部の住居地域と、商業地域や工場地域などで可能だが、今回の改正で、1万平方メートル以上の店舗の立地を商業地域に限定する方針、さらに用途の制限がない「非線引き白地区域」についても大規模商業施設などが新規出店できない規制を導入する方向だというのです。
 国交省は大型店の出店などで、都市機能の郊外への拡散が続くと、都市そのものの衰退を招くと判断したという。さらに社会資本整備審議会の報告書では、『建設可能な建物の種類をあらかじめ決めておく用途規制の強化、都道府県による広域的な調整制度の創設をもりこんでいます。

Q5
 知事はわが党の本会議質問で「まちづくり3法」の改正を国会に上程するよう都としても強く要請するべきではないか」との質問に対し、「見直しの動向を注視していく」との答弁でしたが動向をまっているのではなく、提案するべきだといっているのです。改めて伺います。

Q6
 国に対し、@ 地方自治体への規制権限の委譲を要求すること。
 A 商圏が複数県にまたがるショッピングセンターなどの規制のシステムを確立すること。
 B 地域経済への影響を遮断する方策が不可欠であることを求めるべきと考えます。それぞれ答弁を求めます。

Q7
最後に都としてもこれらについての対策を講じるべきではないですか伺い、質問を終わります。


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