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都立八王子小児病院の存続を 〜2001年

1.都知事の女性蔑視発言の撤回を求める

<女性蔑視発言は、自治体の長としてあってはならないもの>
 はじめに、昨日の知事の発言について申し述べます。
 昨日のわが党議員の質問は、「週刊女性」誌と都主催の会議の席上での女性蔑視発言について、知事が、松井東京大学大学院教授の発言としていたものが、実は、松井氏の名を借りた知事自身のものであることを指摘し、撤回を求めたものです。
 これに対して、知事は、ながながと言い訳をしましたが、最終的に「私なりに受けとめた」と述べ、一連の女性蔑視の発言が、知事自身の考え方にもとづいていることを認めました。
 くわえて、知事は、「楢山節考」になぞらえて、「非常に年をとった女の人が、他の動物の生存の仕方に比べれば、かなり横暴な存在」と、女性を蔑視する発言をこの議場でおこないました。自治体の長の発言としてあってはならないものです。
 知事の「私なりに受けとめた」という発言が示しているように、一連の経過は、わが党の指摘が事実であったことは明白です。それを、「卑劣なデマゴーグ的な手法」などと慢罵したことも許されません。
 女性蔑視発言について、強く抗議するとともに、撤回するよう求めておくものです。

2.都立病院統廃合計画は、小児医療からの撤退

<小児病院は見近かな地域にこそ必要>
 都立病院の問題について昨日の答弁は、都立病院の大幅な統廃合をうちだした改革会議報告を尊重して都の計画をつくるというものでした。まったく納得できません。八王子小児病院の存続を願う署名は市民の四人に一人、清瀬については市の人口を上回る九万人が署名を寄せています。私は、これだけの市民の願いを尊重して都立小児病院を存続することを求めて質問します。
 私は清瀬、八王子小児病院を残してほしいと願う多くの人たちの声を聞いてきました。未熟児で生まれ育った子供、心臓病とたたかいながら必死で生きている子供たちの家族で、病院の近くに引っ越してきた方がたくさんいます。それは、けいれんの発作などの場合、呼吸を止めてしまうこともあり、一刻の時間もあらそうからです。
 ある障害児のお母さんは、「時間が命を救う決め手になる」と、つよく訴えていました。てんかんとゼンソクの子供と一緒に、十一年間も通院している方は、「近いから通えるのです。よくなったかなと思っていると、夜中に悪くなってまた病院に行くこともあります。通院に時間がかかったら、子供への負担が多くなります。時間との勝負という病気をもっている子供たちのことを考えてくださいと、 切実な声をあげています。
 開業医の方々も、地域の医療連携をささえるために小児病院はなくてはならないと声をあげています。助産婦さんたちも「安心して自宅で出産できるのは、小児病院がちかくにあるからです。遠くなったら助かるものも助からない」と、厳しく訴えています。
知事、小児病院は見近かな地域にこそ必要です。八王子からも、清瀬からも小児病院をなくさないでという切実な声がだされていることを、どのように感じていますか。

<不採算医療である、小児医療、小児救急の分野こそ、都立病院が担うべき責務>
八王子小児病院の属する南多摩二次医療圏は、人口百二十七万人、面積は二十三区全体の五十二%におよびます。その中で三百床以上の病院で小児科があるのは、わずか四カ所です。未熟児をすくう新生児集中治療室、NICUは東京全体の百七十七床のうち多摩地域は二十七床にすぎません。
 しかも小児医療は、人手も時間もかかり、薬も大人の数分の一しか使わない、それにくらべて診療報酬が低すぎることから、構造的な不採算となっています。そのため小児病棟の縮小・閉鎖や医師の削減などが大きな問題となり、小児医療はいま危機的な状況にあると言われています。その中で、安心のよりどころとなっている都立小児病院をなくして、どうやって子供たちの命を守るのでしょうか。
 不採算医療である、小児医療、小児救急の分野こそ、都立病院が担うべき責務ではありませんか。  都立病院改革会議では、初期救急は市町村が対応すべきだと言われています。しかし小児救急の専門家は、病状が急変しやすい小児医療では、初期救急と入院が必要になる二次救急の区別は難しいと指摘し、初期救急にも二次救急にも同時に対応できる小児救急医療センターを二次医療圈に一カ所ずつ、都道府県の責任で整備するよう提言しています。
 また厚生省の「健やか親子21」の報告書も、小児救急医療の整備は都道府県が果たすべき重要な責務とし、おおむね人口百万人に一カ所の拠点となる小児救急医療施設を整備することを提言しています。
 こうした提案についてどう考えるのか、見解を伺います。

<「都立病産院小児医療検討委員会最終報告」(97年)の指摘通りの配慮が必要>
 都立墨東病院では知事は、初期救急、二次救急を問わず受け入れる必要があると言ってERを開設しました。ところが多摩地域の子供の初期救急は市町村の役割であり、都立小児病院は必要ないというのは、どう考えてもおかしな話です。
 都立小児病院を巡っての議論と検討は、九十年に八王子と清瀬小児病院の統合問題がだされて以来の経過があります。その後、小児医療の専門家を含めた三年にわたる議論の結果、九十七年に「都立病産院小児医療検討委員会最終報告」がだされました。その中では、多摩地域には小児医療を支える医療機関が少ないことや、南北交通の連絡が悪い問題などをあげて、多摩中央部に重装備の小児医療センターを整備するのが望ましいが、それだけでは充分とは言えない。手のとどかない地域医療などの確保について、八王子と清瀬の小児病院を分院として位置づけるなど配慮が必要、と指摘したのです。
 私は、この指摘どおりの配慮が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

<小児医療の専門家を入れて、あらためて検討を>
小児医療の専門家を入れて、あらためて検討を
 この最終報告を受け、東京都は九十七年六月、八王子市にたいし、小児病院の移転先が市内の旧都立畜産試験場跡地に「決定」したことを連絡しました。ところが今回の都立病院改革会議が、わずか十カ月の議論でこうした経過をくつがえしたのですから、八王子市が、「地域住民の生命と健康に深くかかわりのある基本方針を地元市町村と調整もなく、百八十度転換することは地域行政に大きな混乱を引き起こすものであり、断じて容認できない」とし、多摩市長会が九十七年の最終報告にそった整備充実を要望しているのは当然のことです。しかも今回の改革会議の委員には小児医療の専門家は一人も入っていないのです。
 小児医療の専門家を入れた検討をあらためて行うべきではないですか。

<不足が懸念されている小児科医の養成と確保を>
 知事は昨日、年内を目途に都のマスタープランを策定すると答弁されましたが、住民と自治体の意見に真摯に耳を傾けるよう求めるものです。
 二十一世紀に生きる子供たちが健康で育つ環境整備をすすめることは、都政の果たすべき重要な課題です。私は小児病院の統廃合計画は中止し、小児医療充実に都政が大きな力を発揮することを強く要望します。
 小児医療の危機打開のためには、不足が懸念されている小児科医の養成と確保が不可欠です。
 そのために、後期臨床研修医の受け入れの促進や、開業医の小児医療研修などにとりくむ必要があるのではないですか。
 また、小児科を希望する学生に対し、都として小児科医育成奨学金制度を創設してはいかがでしょうか。答弁を求めます。

3.高尾山の自然を守れ

<高尾山の自然保護、多摩の森林の整備を>
 次に地球環境保全にかかわって、高尾山の自然保護について伺います。
 関東山地の南東端にある高尾山は、標高約六百メートルの小さな山ですが、暖温帯の上限にあたり、変化にとんだ森林が守られてきたため、樹齢数百年にも及ぶブナの原生林をはじめ、千三百二十余の植物種、五千種の昆虫、百五十種の野鳥など、日本に生息あるいは渡来する野鳥のうち、三割が見ることができます。
 大都会東京の市街地に近接していながら、世界遺産にも匹敵するといわれる、これだけの自然をもった山は他に類をみないもので、自然のふれあいの場として、都民にも親しまれている場所の一つとなっています。
 ところが、その高尾山をめぐって、いくつかの大変な動きがおこっています。
 まず、森林の荒廃の問題です。高尾山とその周辺では、手入れが行きとどかない山がふえ、このまま放置すれば、森林の重要な機能である、空気の浄化や水源涵養機能の低下、生態系への悪影響などが生じかねません。
 その流れをくいとめ、京都議定書の立場で、高尾山やその周辺を保全することは、子どもたち、将来世代への私たちの責任であると考えます。
 そこで、まず、高尾山をはじめとした多摩の森林の整備の具体化を早急にはかり、豊かな森林づくりにとりくむべきだと考えるものですが、どうか。
 また、自然保護条例にあらたにもりこまれた里山保全、森林環境保全地域の指定は、未だに一カ所もおこなわれていません。これでは宝のもちぐされです。
 知事、条例ct提案者として、高尾山もふくめ、ただちに指定する必要があると思いますが、それぞれ、答弁を求めます。

<都立高尾自然科学博物館は廃止でなく拡充を>
 もう一つは、都立高尾自然科学博物館の廃止問題です。高尾山のふもとにある自然科学博物館は、多くの都民がおとづれ、高尾山自然研究路などゆたかな自然をフイールドに、自然講座、自然観察会など、自然への関心を広げるとりくみをおこなっています。専門家の協力を得て、奥多摩、檜原などの森林調査もおこなっています。
 昨年、東京都が試行した「行政評価結果報告書」で、この博物館の評価をおこなっていますが、それを見ますと、所管局の一次評価は、「必要性は今後も増大していくものと思われる。事業の継続が適当である」と存続の立場を示しています。ところが総務局がくだした二次評価は、「地域性が強い小規模な博物館を今後も所有し続ける意義は薄い」として、「廃止か、休止」ときわめて冷たい評価となっているのです。
 しかし、この博物館の利用者は、高尾山を訪れるハイカー、学校の遠足など、中高年から小学生におよび、地域も全都におよんでいます。
知事、自然科学博物館は拡充こそが急がれているのではありませんか。むりやり廃止するのではなく、むしろ、緑のボランテイアや、こどもの自然体験などの拠点として拡充することこそが、地球環境保全の流れにそったものとなるのではないですか。答弁を求めます。

<圏央道の未着手の高尾山部分について都民参加の再検討を>
 最後に、高尾山にトンネルをとおす圏央道の問題です。
 圈央道の建設工事は、近くの国史跡八王子城の直下を通すトンネル工事がすすめられていますが、すでに、井戸の水涸れやトンネルの坑口近くに営巣していたオオタカの営巣の減少など悪影響があらわています。絶滅危惧種とされているオオタカは、毎年三羽のひなが巣だっていたものが、今年は一羽になってしまいました。
 高尾山に予定されている二本のトンネルは、直径十メートル以上、長さ一六五〇メートルというもので、狭い谷に建設される巨大なジャンクションなどとあわせ、自然の宝庫といわれる高尾山にとりかえしのつかない損害を与えることは明らかです。
 知事、高尾山にトンネルを掘ることは、自然を破壊する行為と思わないのですか。また、公共事業の見直しの立場から、未着手の高尾山部分について都民参加の再検討を求めるものですが、あわせて、知事の答弁をもとめて質問を終わります。
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