本会議代表質問ー論戦ハイライト(東京民報より)(2013.2.26)

都議会代表質問論戦ハイライト(東京民報)

                                                   2013.2.26

共産党 清水ひで子都議が代表質問

 開会中の都議会第一回定例会で2月26日に行われた各党代表質問は、猪瀬直樹・新知事との初の本格論戦の場となり、同知事の政治姿勢や各党のスタンスが鮮明になりました。
日本共産党の清水ひで子都議の論戦を中心に振り返ります。
【消費税増税】
清水都議 「暮らし・景気落ち込む」
猪瀬知事 「社保財源拡充に不可避」

Mtogi201302261 「都民の収入が減り続けている中で、消費税増税を行えば、暮らしも景気もますます落ち込むことは確実であり、断じて許されません」
清水都議が初めに取り上げたのは、来年4月に予定される消費税増税の問題。
猪瀬知事は「世代間の公平が確保されており、税率の引き上げにより社会保障財源の拡充を図ることは不可避」とのべ、増税を当然視。増税に際しては「軽減 税率の導入が検討されているほか、デフレ脱却や経済活性化に向けた総合的な施策が講じられているところ」だとし、増税によって暮らしや景気が落ち込むとの 清水氏の指摘は「当たらない」と決めつけました。

【貧困に苦しむ高齢者】
清水都議「事実直視せよ」
猪瀬知事「高齢者の実態様々」

清水氏は「何がぜいたくかといえば、まず福祉」という石原前知事の福祉に対する立場を継承するのかを問いました。

石原前知事が行った老人福祉手当(寝たきり手当)や老人医療費助成の廃止など、高齢者福祉の削減について、猪瀬知事は「当時の社会経済状況の変化や介護 保険導入等の国の施策の充実等を踏まえ、経済給付的事業を見直す一方、在宅サービスを中心に福祉サービスの充実を図るため」だったと、前都政と同じ考えを 表明。

石原前都政が高齢者福祉を削った結果、高齢者一人当たりの芭人福祉費は3割も減らされ、決算総額に占める老人福祉費の割合が、全国2位から44位に転落 したとの指摘については「介護保険の導入や三位一体改革などにより、比較の間題となる制度が大きく変わっている」とし、「単純に高齢者一人当たりの老人福 祉費の額について議論を繰り返すのは、あまり意味がない」とごまかしました。

清水氏は国民年金の平均受給額が月額5万4千円に過ぎず、貧困に苦しむ商齢者の福祉充実を求めたのに対し猪瀬知事は、12年版の高齢社会自書(内閣府) にある世帯主が65歳以上世帯の平均貯蓄額2257万円などを示し、「高齢者の生活実態はさまざま」だと強調。所得格差の是正や所得保障は「基本的に国の 責任で対応すべきもの」とのべ、石原前知事と同様、貧困に苦しむ高齢者に目を向けようとしませんでした。

清水氏は再質問で、OECD(経済協力開発機構)の国際比較で日本の高齢者の貧困率が一人世帯では5割近く、都の高齢者保健福祉計画でも、高齢者の一人世帯では年収200方円末満が6割を超えていることなどを指摘。

「事実を直視し、貧困に苦しむ高齢者に思いを寄せてください。国にだけ任せていたら、らちが明かないからこそ、都がセーフティーネットを再構築する必要がある」と訴え、知事に再答弁を求めましたが、知事は答弁できませんでした。

【最低賃金引き上げ】
清水都議「都として尽力を」
猪瀬知事「権限あれば共闘」
清水氏は雇用対策を提案する中で、最低賃金について時給「千円以上に引き上げるために、都として明確な日標を持ち、実現のために力を尽くすよう求めました。

猪瀬知事は、東京の最低賃金は厚生労働省東京労働局で決め、都が関与できない仕組みになっているとのべる一方、「この出先機関(東京労働局)を行政改革 の対象として考えるならば、そして東京都がそういう権限を与えられるならば、あなたと共闘してもいいんです」と答えました。

【認可保育所の増設】
清水都儲「保護者の訴え聞け」
猪瀬知事「認証保育支持ある」

Mtogi201302262清水氏は認可保育園で待機児童が多数出ている問題で、認証保育所などの補完的役割を否定するものではないが、保護者が環境の整っている認可保育園への入園を訴えていると、猪瀬知事の認識を追及しました。

猪瀬知事は、都独自の基準で設置を認める認証保育所と認可保育園の施設基準は「同等」と答弁。
厚労省に認証を保育サービスとして認めるよう求めるとし、認可保育園の増設について言及しませんでした。

これに対し清水氏は再質問で、認可園は全職員を保育士であることを義務付けているのに対し、認証保育園は6割としていること、ほとんどの認可園で園庭を 保有しているのに、認証にはないことを指摘。「我が子こよりよい環境で質のよい保育を受けさせ、豊かに育ってほしいと願っている保護者たち自身が、認可保 育園を増やすことを切実に願っている」と強調。

重ねて保護者の訴えに耳を傾け、認可園の増設に力を注ぐよう求めましたが、知事は答弁に立てませんでした。

【憲法】
清水都議「否定論継承するのか」
猪瀬知事「石原氏のレトリック」
清水氏は「あの憲法を認めません」と発言し、公務員の憲法尊重擁護義務を否定した前知事の立場を継承するのかをただしました。

猪瀬氏は「日本国憲法のもとで、平和で安定した国がつくられてきたことも事実」と語る一方、憲法9条については「戦争というものを想定外にしてきた。と いうことは冷戦後の状況を考えると、これはやはりおかしいのではないかという考え方が出てきて当然」とのべました。

石原前知事の「憲法を認めない」という発言については「石原さんの一流のレトリック(言業のあや)だというところがある」とし、石原氏を擁護しました。

 (以上東京民報より)

本会議代表質問ー雇用・生活重点の予算に(2013.2.26)

雇用・生活重点の予算に

                                                                                                                              2013.2.26

共産党 清水ひで子都議が代表質問
DSCN3425日本共産党の清水ひで子東京都議は26日の都議会代表質問で、厳しさを増す郡民の雇用・生活や、喫緊の課題である防災対策などの支援策の充実に、都予算を優先して振り向けるよう求めました。

■経済活性化
清水氏は、昨年から共産党が都内で行っている「若者・子育て世代実態調査」で「給料が安い」という声が最多だったことを紹介。
都内労働者の現金給与総額は十数年で年85万円も減少し、若年労働者の非正規雇用が増えていることをあげ、労働者の雇用を安定させ、賃金を増やし、経済の活性化をめざすよう強調。
▽来年度予算案で削減した雇用就業対策費の拡充
▽ハローワークと協力し、職業訓練から就職あっせんまでの無料の支援
▽大企業・財界に、賃金や中小企業の下請け代金の引き上げを申し入れる
▽都が最低賃金を時給1000円以上に引き上げる目標をもつ
▽公共事業でのワーキングプアをなくすため、公契約条例を制定ることなどを提案しました。
都として「3月末に打ち切り予定の中小企業金融円滑化法の再々延長を国に求め、町工場を守るため、借り工場の家賃、機械などのリース代補助を要求。都内 に51万人に及ぶといわれる〝買い物弱者″対策として、「買い物弱者支援モデル事業」の補助期間を延長し、商店街などの事業者の負担を軽減するよう提起し ました。

中西充産業労働局長は「制度融資においても、経営改善を進める中小企業の資金繰り支援に適切に対応する」と答えました。

 ■エネルギー
清水氏は「石原前知事と同じように、原発は必要だという立場をとるのか、それとも原発ゼロの立場をとるのか」と質問。「2割を代替エネルギーに転化する ことができれば、原発ゼロ、クリーンエネルギー都市東京を切り開ける」と述べ、太瘍光パネルの初期投資ゼロの仕組みをつくるよう求めました。

猪瀬知事は「原発の問題は、国家戦略として決めなければならない」と答弁。
大野輝之環境局長は「初期負担なく太陽光発電を設置できる仕組みを構築していく」と答えました。

■大震災対策
清水氏は「巨大地震から都民の生命、財産を守るために都が行うべきは、都市インフラなどとともに住宅の耐震化を強力に促進すること」と主張。都の木造住 宅耐震改修助成制度は、指定された地域内で一定の道路に画していないと助成を受けられず、他県と比べて異例だと指摘。対象地域を広げ、助成額も増やすよう 求めました。
防災対策で重要な地域の消防団の役割の発揮のため、区部、市町村とも団員の処遇向上や装備の充実・強化を図るよう求めました。

消防団について、笠井謙一総務局長は「区部に加え、多摩・島しょ地域の消防団の資器材整備など、消防団活動の多面的な支援に取り組んでいく」と答えました。
社会資本整備について、国と都が1兆円余の巨費を投じる外環道などの新規大型事業を最大限抑え、道路や橋梁など社会資本の耐震強化や維持更新などや福祉 に予算配分をすべきだと主張。「都には8700億円をこえる活用可能な基金もあります。基金の適切な活用も図れば、暮らしや福祉、雇用、中小企業対策など の充実は十分可能」と財政運営の転換を求めました。

村尾公一都技監は来年度の道路橋梁事業について「維持補修費は926億円、整備費は2424億円」と答え、新規整備費の方が2・6倍も多いことが明らかになりました。(ここまでしんぶん赤旗より)

都議会代表質問(東京民報の記事より)

清水都議  明るい東京の未来へ、暮らし、雇用で積極提案

都議会は2月26日、猪瀬直樹知事の施政方針表明に対する各党代表質問を行いました。日本共産党から清水ひで子都議が立ち、石原都政を継承するという猪瀬知事の基本姿勢をただし、都民の暮らしを守る具体的提案をしました。

清水氏は石原都政によって壊された所得の低い高齢者へのセーフティーネットを再構築し、住民の暮らしを守るという自治体の役割の発揮が求められていると 強調。負担が重過ぎる国民健康保険料(税)について、国に対し国の負担の復元と拡充を強く求めることや、区市町村が国保料(税)を値下げできるよう、都独 自の補助の実施を求めました。
知事施政方針で言及したケア付き高齢者住宅について、共産党都議団は12年前に新しいケア付き住宅を東京から発信するよう提案してきたとし、都が同住宅 の整備に踏み出したことを評価。低所得者が入居でき、介護、医療、見守りなど多様なサービスを利用して安心して住み続けられるよう拡充を求めました。

さらに特別養護老人ホームの都内待機者4万3千人の解消は急務なのに、都の高齢者保健福祉計画では14年度までの4年間で8千人分を増やすにすぎないと指摘。都の3力年計画アクションプログラムに位置づけ、整備目標を抜本的に引き上げるよう強く求めました。

子どもが認可保育所に入れなかった保護者らが、同保育所の増設を訴えていることに対し、猪瀬知事が厚生労働省の認可保育園重視に問題があるとの認識を示 したことについて清水氏は、「厚労省を批判するなら、認可保育園への待機児が増えているにもかかわらず、(同省が)少子化だから認可保育園は極力つくらな いという立場をとってきたことこそ、厳しく批判すべきだ」と強調。

都が独自に設置を進める認証保育所や小規模保育所の補完的役割を否定するものではないとしつつも、「基準は認可より低い上、規模も小さい」と指摘。都民 運動に押されてこの3年間で1万7500人分の認可保育所をつくったことにも触れ、「やる気になれば、認可保育園も大幅に増設できる」とし、「都民が強く 求める認可園の大幅増設をスピード感をもって進めることを求める」とのべました。

雇用・経済3つの提案

最低賃金1000円以上に
清水ひで子氏は都議会代表質問で、共産党が昨年から実施している「若者・子育て世代実態調査」で寄せられた雇用環境にかかわる深刻な声を紹介。東京の労 働者の現金給与総額が、この十数年間で年85万円も減少し、若年労働者の2人に1人は非正規雇用、その8割が年収200万円未満という実態をあげた上で、 「働く者の雇用を安定させ賃金を増やし、東京の明るい未来、経済の活性化を目指す」3つの提案をしました。

その第一が雇用の確保と就労支援です。
来年度の都の雇用就労対策では、学校を卒業しても就業できない人の就労支援や非正規の若者の正規雇用化支援などの事業費の削減をはじめ、今年度比85億円も減額。今年度最終補正予算を含めても10億円の減額です。
清水氏は職業訓練校の定員の大幅増や有料化した授業料を無料に戻し、都の職業訓練機能を大幅に拡充すること、求人の掘り起こしと面接支援など、ハローワークと連携して一体で若者就労支援を進めることを提案しました。

2つ目は賃金引き上げに取り組むことです。
清水氏は安倍首相が共産党の国会質問を受けて、経団連など財界3団体トップに賃上げ要請したことを紹介し、都も知事を先頭に財界・大企業に対し、賃金引き上げと中小企業の賃上げのために下請代金引き上げをはじめとする公正な取引の実現を申し入れるよう求めました。
また、最低賃金の時給千円以上の実現に尽力すること、そのための中小企業への助成大幅増を国に求め、都としても取り組むよう求めました。

3つ目は、〝官製ワーキングプア〟をなくすことです。
清水氏は地方自治体が契約する公共工事や委託事業に従事する労働者の賃金が、その地域の標準的な賃金水準を下回らないように規制する公契約条例を都として検討するよう求めました。

さらに、石原都政で後退した中小企業対策、買い物弱者対策と商業支援、エネルギー政策、震災対策、社会資本整備と財政運営のあり方で提案。
エネルギー政策では、都が「再生可能エネルギー戦略」で2020年までに東京のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を20%にするとの目標を掲げているのに、現状は0.7%という遅れを指摘。

その上で、ソーラーパネルの設置意欲を高めるための初期投資ゼロの仕組み作りを提案。「エネルギーの最大消費地の東京で、当面その2割を代替エネルギー に転換することができれば、原発ゼロ、安全でクリーンエネルギー都市東京を切り開ける」とのべ、実現を強く求めました。
→都議会代表質問の詳細(都議団ホームページ)

都議会論戦違い鮮明 (しんぶん赤旗より)
福祉・暮らしの願いに応える共産党
石原都政継承の知事支える民自公

東京都議会で2月26~28日に行われた本会議の論戦では、福祉や暮らしなど都民の願いにどうこたえるか、日本共産党と、民主・自民・公明各党との違いが鮮明になりました。     (東京都・川井 亮)

認可保育園増迫る
「どうして保育園に入れないのですか」-。いま若い子育て世代で問題になっているのが、認可保育園に入所を申し込んでも入れない待機児問題です。
杉並区や足立区では計78人が行政不服審査法にもとづく異議申立書を区に提出。各地で認可保育園増設の声をあげています。
都議会で認可保育園の増設を迫ったのは、日本共産党の清水ひで子都議だけでした。

清水氏は、保育基準切り下げの「規制緩和」で待機児解消策を進める猪瀬直樹知事に対し、4月1日には認可保育園には入れない待機児が2万2000人を超 えるとの党都議団の調査結果を示し、「保護者がよりよい環境の認可保育園を求めるのは当然」「(都独自の)認証保育所などの補完的役割は否定しないが、基 準が低いのは紛れもない事実。(保護者の)訴えに真摯(しんし)に耳を傾けてほしい」と迫りました。
<待機児童2万2千人、日本共産党都議団の調査>

一方、民主・自民・公明の各党は認可保育園の増設には触れず、条件の悪い認証保育所・小規模保育所の増設を求めただけでした。
民主党は27日の一般質問で「認証保育所は待機児対策として極めて有効」と美化。
自民党も代表質問で認証保育所を絶賛し、「利用者ニーズに的確に対応した取り組みをさらに 進める必要がある」と主張。
公明党は27日の一般質問で猪瀬知事が打ち上げた小規模保育に「大いに期待」とエールを送りました。

防波堤の役割求め
都民の暮らしは深刻です。労働者の給与は減り続け、年金の引き下げ、国民健康保険料(税)・介護保険料の値上げがのしかかっています。
日本共産党は、都政が暮らしを守る防波堤の役割を果たすよう求めました。
清水氏は、石原前都政が高齢者の医療費助成や寝たきり手当を廃止し、決算総額に占める老人福祉費の割合が全図2位から44位に大幅後退したと指摘。区市 町村国保への財政支援、立ち遅れている特別養護老人ホームなど介護施設の緊急増設を迫りました。東京外環道などの大型開発を抑制すれば福祉、暮らし、防災 に財源を回せると提起しました。

しかし、猪瀬知事は福祉施策切り捨てを「都民の理解は十分得ている」などと答弁。
民主党は代表質問で、猪瀬知事の選挙公約が同党の目標と「軌を一にするもの」とエールを送り、「堅実な予算案」と評価しました。
自民党は代表質問で、安倍晋三政権の無制限な金融緩和や無駄遣いの大型公共事業、国内経済を破壊するTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加に踏み込む日米共同声明を持ち上げました。
東京維新の会とみんなの党は一般質問で福祉・暮らしには一言もふれませんでした。
維新は猪瀬知事を持ち上げ、都営地下鉄や上下水道などの民営化を主張。
みんなの党は石原前都政の「破壊的教育改革」などについて質問しました。

本会議代表質問(東京民報記事から)(2011.12.07)

防災、貧困対策急げ

                                                   2011.12.07

M-2011.12.07situmon2共産党 清水ひで子都議が代表質問

都議会第4回定例会の本会議が7日開かれ、各党代表質問を行いました。日本共産党は清水ひで子都議が立ち、石原慎太郎知事に対し、防災や放射能汚染対策、福祉や医療、中小企業対策など、都民の切実な要求実現を求めました。

放射能対策

清水都議は、都民の最大の不安となっている内部被曝(ひばく)から、子どもたちを守る対策について質問。放射線量が年間1㍉シーベルト以下の地域で数 年後からがん発症率の急増、免疫力の低下などの健康被害が報告されたチェルノブイリ原発事故の事例をあげ、「低線量だから大丈夫だという立場は厳に慎むべ きだ」と強調。

健康被害を心配する都民の不安に寄り添い「最大限の対応をするという立場こそ都に求められている」のに、都有施設で発見されたホットスポットを除染しない都の姿勢を厳しく批判。全都有施設、とりわけ学校の局所汚染実態の詳細な把握と必要な除染対策を求めました。

さらに学校給食食材の検査を都内26区市町、調理後の測定は6区で実施しているとし、区市町村への測定支援や子どもたちの尿中セシウムやストロンチウムなどの継続的な健康調査を求めました。

社会保障

東京の生活保護受給者は、現在21万世帯、この12年間で2倍以上に増加し、高齢者や失業者だけでなく、働いても収入が生活保護水準に届かない世帯が急増しています。

清水都議は、こうした事態が進む原因に、失業や低賃金、生活保護以前のセーフティーネット機能の不全を指摘。「貧困を打開するには、雇用を確保し、社会 保障を立て直すことが求められている」とし、福祉、雇用、住まいなど、独自のセーフティーネットの拡充に取り組むよう提案。
政府は復興に名を借りた消費税大増税と一体で社会保障の切り下げを狙っていると指摘。来年度は介護保険料、後期高齢者医療、国民健康保険料(税)の値上 げも計画・検討されているとして、保険料の抑制対策を求めたほか、脳ドックの受診促進、無料低額診療事業の拡充を提起しました。

中小企業対策

中小企業の年末対策として、区市が実施する融資制度への支援のほか、医療と工業の連携による新しい産業の振興を提案。医工連携をただちに開始し、「医療技術革命」に本格的に乗り出すことを提案しました。

防災対策

(表1)
遅れる上下水道の耐震化大震災で長期切断も
水道管の継ぎ手管 26%
配水池 55%
浄水施設 0%
下水管とマンホール接続部 数%

 清水都議は防災対策にか かわる石原知事の所信表明について「もっぱら震災発生後の対策で、安全・予防対策について言及すらしなかった」と批判。都営住宅の耐震比率が70%に届か ず、上下水道の耐震化率(表1)も著しく遅れていることを指摘した上で、期限を切った耐震化計画や緊急の前倒し計画の作成、鉄道の耐震化への都のイニシア チブの発揮を求めました。

財源確保

  (表2) 福社・防災対策に 必要な財源の例
内容 財源(億円)
老人福祉費を99年度水準に戻す 900
特別養護老人ホームの定員1万人分増設(3カ年) 54
後期医療、介護保険、国保の保険料を年間1人500円軽減 310
都営住宅10万戸の耐震化(5カ年) 800
木造戸建住宅の耐震助成21万戸分(5カ年) 440
東部低地帯の堤防完成 1700
(共産党都議団、推計 )

 清水都議は福祉や社会保 障、防災など、都民施策の充実に必要な財源の額(表2)を具体的にあげ、それらの財源を生み出すためには、右肩上がりの経済成長を前提にした巨大開発への 投資を抑制することが必要だと強調。「2020年オリンピック招致を口実にした外環道の着工や、晴海線や多摩新宿線などの不要不急の高速道路の新規建設、 巨大港湾の建設は凍結すべきだ」と力説。併せて歳入確保のために、大企業の法人事業税の税率を1.2倍に緊急に引き上げることを提起しました。

入札めぐる談合疑惑追及
築地市場の豊洲移転予定地

清水都議は築地市場(中央区)の移転予定地(江東区豊洲)の土壌汚染対策工事の入札をめぐる談合疑惑問題を追及。共産党が入手した受注ゼネコンの内部資 料で、共同企業体(JV)の参加企業の組み合わせや全企業の出資比率などが落札結果と一致していたこと、落札率が94~97%と高水準だったことを指摘。 「都に寄せられた談合情報はどのようなもので、どう調査・対応したのか」とただしました。
安藤立美財務局長は談合情報や調査の内容を明らかにせず、「調査を改めて実施する考えはない」と答弁しました。

TPP

清水都議は最後に、政府のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加について、石原知事の批判的発言を紹介した上で、政府に対しTPP参望反対を強く申し入れるよう提案しました。
石原知事は一アメリカ(依存)ではなくて、日本自らの決断で参加不参加を決めてもらいたい」と答えました。

切実な都民要求を求める質問と都の答弁
共産党の提案・要求 都側の答弁
放射能対策 学校給食食材の放射線測定をする
区市町村への支援を
都は都内農林水産物や500品目の流通食品の検査をしており安全は確保されている。支援する考えはない
子どもたちの継続的な健康調査を モニタリングボストの測定は4月中旬以降、事故発生前の範囲内。現時点で特段の健康調査をする考えはない
全都有施設、学校の局所的汚染の実態を把握し、除染対策を 東部3区の都立公園の測定で地上高さ1㍍で毎時1マイクロシーベルト以上高い地点はなかった。今後、経常的な調査は基本的に不要と考える。
区市町村から都有施設での測定・除染の求めがあれば応えるべき 都有施設全般にわたる調査や継続的な調査は基本的に不要。要望があっても、この考えで対応する
社会保障 福祉、雇用、住まいなど独自のセーフティーネットの拡充を 市区町村が行っている低所得者・離職者対策への支援、住居喪失不安定就労者等への支援を行っている
介護保険、後期医療の保険料抑制のため政府に国庫負担の拡大を求め、都は財政支援を 都は法令に基づき応分の負担をしている、財政支援や国に国庫負担拡大を求めるのは考えていない
11市町が助成を実施している脳ドックの受診促進を 法に基づき区市町村に義務づけられてはいない。個人の判断で受診するもので、都として受診促進に取り組む考えはない
無料低額診療事業の実施医療機関の拡大を 実施医療機関は08年度末43から現在47。国は必要が薄らいでいるとして抑制方針。今後議論の行方を見極める
都立病院で無料低額診療の実施を 実施には様々な課題がある。生計困難者などには公的制度の活用支援や分割納付などの医療費支払いの相談に対応している
中小企業対策 年末対策として区や市の融資制度に信用保証料補助や利子補給を 区市町村の融資制度は各自治体の判断と責任で実施しているもの。
防災 都営住宅の100%耐震化を 耐震診断を踏まえ整備プログラムを見直し、,2015年度までに90%以上を達成し、その後も必要な耐震化を進める。

(この記事は東京民報から引用しました)
→都議会代表質問の詳細(都議団ホームページ)

本会議代表質問(2011.12.07)

東京都議会 清水議員が代表質問

                                                   2011.12.07

都施設・学校除染を
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日本共産党の清水ひで子東京都議は7日の都議会代表質問で、東電福島第1原発事故の放射能汚染から子どもたちを守るために「低線量だから大丈夫だという立場は厳につつしむべき」だと指摘し、放射線量測定と除染対策に積極的に取り組むよう要求しました。

清水氏は、都内の多くの区市が独自の厳しい基準を設けて除染しているのに対し、都は東部3区の公園を測定した結果、雨どいの下などで毎時7・06マイク ロシーベルト(地表1㌢㍍)の高濃度地点を測定しても囲うだけで除染せず、地上1㍍の空間追加線量が毎時1マイクロシーベルト以下であったことを理由に全 都有施設の調査や恒常的な調査は「基本的に不要」とする都を批判。

「子どもたちの健康を守る立場で、全都有施設や学校の局所汚染の実態を詳細に把握し、必要な除染対策を」と求めました。

また清水氏は、学校給食の放射線量測定を実施している区市町の取り阻みへの支援や、子どもの尿中セシウム・ストロンチウムなどの継続的な健康調査の実施を主張しました。

大野輝之・環境局長は「限定された地点での汚染の場合、その近傍にとどまる時間は極めて少ない。今後、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要」、杉村栄一・福祉保健局長は「特段の健康調査を実施する考えはない」と答弁しました。

清水氏は「子どもたちが毎時7マイクロシーベルトなどという放射線の中でころげまわっても問題ないというのか」と再質問。大野環境局長は「調査や除染は不要」との答弁を繰り返しました。

豊洲移転地
大手ゼネコン汚染対策で深まる談合疑惑

清水都議徹底調査を要求

日本共産党の清水ひで子東京都議は7日の都議会代表質問で、築地市場移転予定地(東京ガス工場跡地、江東区豊洲)の土壌汚染対策工事入札をめぐる談合疑惑を取り上げ、工事を中断し、公正取引委員会と連携して徹底した調査を行うよう迫及しました。

予定地では環境基準の4万3000倍のベンゼンや930倍のシアン化合物などを検出。都は市場関係者や消費者らの反対を無視して、8月29日に同地の工 事を3街区に分けて入札。清水建設、鹿島、大成建設の大手ゼネコンを中心にした各共同企業体(JⅤ)が落札しました。

清水氏は日本共産党が入手した受注ゼネコンの内部資料で、JV参加企業の組み合わせや全企業の出資比率などが落札結果と一致していたこと、落札率も94~97%と高い水準だったことを指摘。
「都に寄せられた談合情報はどのようなもので、どう調査・対応したのか」と追及しました。

土壌汚染対策工事の落札JV
落札JV(共同企業体) 落札額 落札率
5街区 鹿島・大成・東亜など6社 119 93.9
6街区 清水・大林・大成など10社 333 97
7街区 大成・鹿島・熊谷など5社 89 94.7
単位:落札額は億円、落札率は%

 安藤立美財務局長は、談合情報の内容を明らかにせず「調査を改めて実施する考えはない」と答弁。

清水氏は再質問で「愛知県などでは情報と入札結果が一致すれば、落札を保留し再調査する。都への情報と入札結果がどの程度一致したのか」とただしましたが、同局長は同じ答弁を繰り返しました。

(この記事はしんぶん赤旗から引用しました)
→都議会代表質問の詳細(都議団ホームページ)

文書質問「1.未就職卒業者緊急就職サポート事業について」「2.買い物困難者支援について」(2011.03.08)

文書質問趣意書

                                                   2011.03.08

日本共産党・清水ひで子

1.未就職卒業者緊急就職サポート事業について

都民のくらし、雇用がいっそう深刻さをましているもとで、東京都が総力をあげて都民施策の拡充にとりくむことが求められています。日本共産党都議団は、 大学、高校などを卒業して就職できていない人たちへの就職支援策を繰り返し提案してきました。そうした中、来年度の予算で中小企業への就職支援策の取組み が始まります。

たとえば2011年度予算で提案されている未就職卒業者緊急就職サポート事業ですが、都の発表によれば、都が民間派遣事業者に事業委託するというものに なっています。すでに行われた入札結果によると、委託先はマンパワー・ジャパン(株)、アデコ(株)になっています。実際の事業は、その事業を受託した派 遣元となる企業が、未就職者と雇用契約を結び、派遣契約をする派遣先企業で未就職者が体験就労するというものです。

こうした事業が、より充実した支援事業、正規雇用に役立つ事業になるのかが問題です。そこで何点か質問します。
日本共産党では、国会議員事務所が、すでに昨年12月に各県の担当課に、同様な事業内容としてとりくまれている地域人材育成事業の一つである「学卒未就職対策」について聞き取りをおこないました。

その結果、愛知県では、派遣会社が未就職者を一定期間雇用して、そこから別会社に派遣して体験雇用をして、その派遣先と未就職者が合意できれば正規雇用 するというものです。賃金などの費用は国が負担します。実際に事業をおこなっている派遣会社は、パソナ、アデコ、インテリジェンスなど3社です。県は5億 円で委託し、200人目標で半年間雇用し、研修・実習を実施し、対象者には賃金として14万4千円(交通費別)が支給されるというものです。その雇用実績 ですが、2010年7月から2011年2月までの研修に200人(応募600人)が参加し、3月に就職対策をおこなうというもので、12月の段階で就職は 3人という話しでした。

千葉県は、同様にパソナ、マンパワージャパン、インテリジェンスに210人募集、7.5億円の事業として委託さしています。受託した派遣会社は、各派遣 会社で「座学」が1~2ヶ月、派遣会社からの派遣先企業での実習が3~4ヶ月をおこなわれ、雇用期間中に委託された派遣会社が就職相談にのるという事業に なっています。しかし、座学後の実習先は派遣会社が開拓した派遣先企業しか選択できず、希望職種がないなど、全体の1/3近い61人が11月を過ぎても実 習にいけない事態が生まれていました。

こうした、人材派遣会社等に希望者を有期雇用させ、募集から別会社での体験就労と相談まで一括した事業として委託するという取組みは、2010年度に20道府県でおこなわれました。雇用数(予定を含む)は3774人、予算額は68億円でした。

Q 都の未就職卒業者緊急就職サポート事業を実施するにあたって、前述の国の「地域人材育成事業」を活用した他県の取り組についてどのように認識していましたか。実施するにあたって、どのような検証をしましたか。

Q 都の事業よると、未就職卒業者が希望就職先とする企業は、全国の事業と同様に派遣元企業が契約している派遣先になってしまうという限界があります。か つ、この事業は派遣事業としてとりくまれますから、派遣先は法律によって職種が限定されています。したがって、これでは就職者が体験就労できる企業は限ら れてしまいます。これでは、未就職卒業者が希望する職種、企業を十分確保できるかどうか心配です。
都は、こうした問題についてどのように認識し、どのようにして未就職卒業者が希望する職種、就職希望先を十分確保、保障しようとしていますか。

Q 未就職卒業者が生活できる賃金を確保できるようにする必要があります。都として派遣元にどのような契約内容で、それを保障させていますか。

Q 未就職者の正規雇用就職について、派遣企業まかせでは実績が上がらないと思います。都として派遣元にどのような契約内容で、正規雇用就職を確保し、保障させていますか。

Q 都として、未就職卒業者緊急就職サポート事業を利用する未就職者からの様々な問題、要望にたいして、どのようにくみ上げ、いち早く改善し、解決させるためにどのような体制をとるのですか。

2.買い物困難者支援について

Q 日本共産党都議団は、いわゆる「買い物難民」、「買い物困難者」の問題をいち早くとりあげ、都の認識、きめ細かな実態調査、支援策などについて質してきました。
「買い物困難者」への支援策について、当初、産業労働局の答弁は、「既に『新・元気を出せ!商店街事業』などの様々な商店街振興策を通じて、地域の住民 が便利で安心して買物ができるよう対応を進めています」というものでした。その具体化が急がれますが、その後、この支援策について、どのような取組みをす る予定ですか。

日本共産党都議団は、区市町村議員団の協力を得て、買い物困難者が起きている各地域の実情も調べています。
買い物困難者問題が起きている要因は、中・大型量販店の出店による地域商店街の衰退、そうした地域からの中・大型量販店の撤退、団地・地域の高齢化、団地の建替えにともなう商店の撤退など、様々です。

Q 産業労働局は、「これまでも地域の実態を十分に把握したうえで商店街の振興に取り組んでいます」といいますが、都はこれらの実態は産業労働局の事業範 囲を超えた問題があるとの認識はお持ちですか。都として、各局が連携して実態を把握する必要性についての認識はお持ちですか。

Q 産業労働局は「身近な区市町村がその実態を把握するなどの対応を行うことが適切である」としていますが、それぞれの問題が起きている所は、必ずしも単 一自治体に限られる問題だけではありません。また、要因として多くの地域が上げている中・大型店の出店は、広域性があるものです。したがって、産業労働局 のこの認識は十分ではないと思いますがいかがですか。都は、区市町村まかせにできる問題だけではないとの認識はありませんか。

各地では、すでに買い物困難者を支援するための、様々な自主的取組みがされています。そうしたところからは、商店街の配達サービスへの助成、コミュニ ティバスやデマンドタクシーへの運行経費の助成、移動販売車や店舗誘致への支援、買い物送迎のボランティアへの支援、地元農業者などによる朝市・夕市開催 への支援など、様々な要望があがっています。
Q 買い物困難者が生まれている実態にあわせて問題を解決するためには、今後、問題に応じて関係各局等と連携しながら、打開策を検討する必要あると思いますが、いかがですか。

以上

文書質問「生産緑地に関する制度の創設について」(2010.12.17)

文書質問趣意書

2010年12月13日
日本共産党・清水ひで子

生産緑地に関する制度の創設について

都市の農業と農地の保全を実効あるものにするためには、都として、都市の農地が果たしている、緑の環境や酸素の供給、防災機能など、都市生活に欠かせない多面的な役割を重視し、農家へ何らかの支援をすることが必要です。
わが党は、これまで2008年第1回定例会、および第3回定例会、今年第2回定例会とくり返し、生産緑地の減少を防止する支援制度を提案してきました。
今年の第2回定例会では、農業者からの生産緑地の買い取り申請数にたいして、自治体が買い取ったものが5%に満たないというわが党の独自調査結果も例示 し、地元自治体と連携して生産緑地を買い取る制度をつくって、公立の農業公園というようなものをつくるよう提案しました。

Q1 生産緑地の買取申出のあった場合、公共施設の設置が予定されている場合の区市町村など当該公共施設の事業者が、国や都の各種補助制度を活用す ること、および区部における都市計画交付金制度にもとづく支援など、既存の補助制度の活用を都はすすめていますが、その制度の有効性、限界性についてどの ように認識していますか。

A1 公共施設の設置が予定されている生産緑地について、買取りの申出があったときは、当該公共施設の事業者である区市などが、事業化の見通しを考慮し、必要と判断する場合、当該生産緑地を取得しています。  その際、公共施設整備のための既存の補助制度は、区市などの財政負担を軽減するものであることから、生産緑地の買取りを進める上で有効であると考えます。

Q2 わが党は、生産緑地の買い取り申請がされた場合の各種の補助制度をつくるよう要望してきましたが、都は今年度「緑確保の総合的な方針」をつく りました。その中で、「農の風景育成地区」制度を創設し、地域に比較的まとまった農地や屋敷林が残っている場合などを対象として、保全していくとしていま す。
今後、この仕組みはどのような検討を進め、具体化していきますか。

A2 「農の風景育成地区」制度については、区市町村や関係局などとも連携しながら、年度内の具体化に向け、都市計画手法の活用などについて検討を進めていきます。

Q3 こうした仕組みづくりは、区市町村、農業者、農業関係者等と連携して取り組むことも重要だと思いますがいかがですか。周知状況はどうですか。

A3 「農の風景育成地区」制度の創設に向け、既に区市町村等と検討を開始しており、今後、農業関係者などとも協議していくこととしています。  都は、これまでも関係機関とともに、都市農業の振興や農地の保全に取り組んできており、本制度の創設についても同様に対応していきます。

Q4 今年度、市長会からは、買い取り申請があった「土地を買い取ることは、市の財政にとって容易なことではない」ため「生産緑地地区の買い取り申し出があった場合、市が公共用地として速やかに買い取ることができるよう」財政支援措置制度の創設を要望しています。
都市の緑を保全していく上で、市町村会の要望に答えることは重要だと思います。この制度については、今後、何らかの具体化を検討しているものはありますか。

A4 買取りの申出があった生産緑地について、公園や道路などの公共施設が予定されている場合には、区市など当該公共施設の事業者が、国や都の各種補助制度を活用して買取りすべきものと考えます。  なお、公共施設が予定されていない生産緑地の買取りについては、生産緑地法第11条に基づき、区市長の責任で対応することとなっており、都が支援することは考えていません。

以上

第四回定例会本会議での代表質問(あぜ上都議)(2010.12.07)

二〇一〇年都議会第四回定例会本会議 代表質問 12月7日

あぜ上三和子(江東区選出)

築地市場の豊洲移転中止、現在地再整備を
ムダづかいをやめ、雇用、中小企業対策に全力を
雇用対策
中小企業対策
国民健康保険の負担軽減を
少人数学級など教育条件の整備を
都民のための財源確保を
青少年健全育成条例の撤回を
答弁
再質問
再質問答弁

 

築地市場の豊洲移転中止、現在地再整備を

日本共産党都議団を代表して質問します。まず、築地市場についてです。
知事が、所信表明の冒頭で築地市場の豊洲移転を強権的に推進する立場を表明したことは、都民と都議会の意志を踏みにじるもので、断じて許されません。つ い最近も、東京魚市場卸協同組合の総代選挙では、移転に反対する人たちが多数になったではありませんか。専門家や市場関係者の多くが都の土壌汚染対策に不 信をいだき、豊洲移転に反対しているのです。もともと、有害物質で汚染された豊洲の東京ガス跡地は市場用地としては検討にあたいしません。その上、豊洲の 土壌処理対策は科学的裏付けに乏しい欠陥対策であり、適用実験もごまかしに満ちたものです。実際、わが党の事実を示した批判に対し、まともな答弁はできな かったではありませんか。知事、「権威ある学者」のお墨付きをひたすら振りかざすのでは都民は納得しません。知事、どうですか。

さらに、これまでの調査結果及び、今後進める汚染処理工事設計については、情報を全面公開し、環境学会など専門家の検証を受けるべきです。

そもそも都が、不十分ながら有楽町層までの土壌汚染のボーリング調査をしたのは、敷地全体の三分の一にすぎません。しかも、ほとんどの地点がベン ゼンやシアンなど一種類ずつの調査でしかありません。有楽町層より深いところは、まったく調査されていません。このため、汚染が広範囲に隠されている可能 性が強く、今後、有楽町層の下まで杭を打ち込む工事などで、地中深くの土壌が掘削されるなら、汚染が拡散する危険が濃厚です。どうですか。

いま知事は、築地市場の老朽化を豊洲移転の理由にしていますが、天につばするものです。この十二年間、「業者の声」を聞かずに耐震改修、メンテナンスを怠ってきたのは、知事、あなたではありませんか。
知事が市場問題で何をおいてもやるべきことは、老朽化対策、耐震化を怠ってきたことを反省し、緊急対策を講ずることです。
知事は、このままだと業者は「じり貧になる」ともいっていますが、その原因は何より、セリ原則取引廃止などをすすめてきた国と都にあるのです。豊洲新市 場化計画は、大手量販店などの物流センター化するものであり、移転を強行すれば、仲卸業者は、大手企業の下請と化す危険が強まります。

公正な価格形成に欠かせないセリ売りをはじめ、市場本来の機能をとりもどすことや、仲卸業者への十分な経済的支援をおこなうことで、都民も業者も安心できる卸売市場づくりに転換することこそ求められているのです。どうですか。

現在地再整備については、議論は尽くされていません。わが党は、過大な施設計画の見直し、都負担による整備、仮移転の場合の費用負担などによって、業者が合意できるよりよい現在地再整備計画を、都自身の責任でつくることを重ねて求めますが、答弁を求めます。

ムダづかいをやめ、雇用、中小企業対策に全力を

さて、都民のくらし、雇用がますます深刻化しており、この事態を打開することが、都政にとって最重要課題です。
ところが知事は所信表明で、首都東京の政治家の使命を果たすなどと述べたにもかかわらず、今議会に補正予算も組まず、所信表明でも見るべき具体策を示しま せんでした。都民は「なぜ、知事は私たちのくらしを顧みてくれないのか」と失望しています。私はいまこそ、知事が政治家としてのあり方を正し、都民の痛み に思いを寄せることが必要だと思います。

その一つが知事の海外出張です。前回の都知事選のとき、知事の豪華海外出張に対する都民の批判の声が高まったため、知事は「説明不足だった」「反省している」と述べざるを得ませんでした。ところがどうでしょうか。私は改めて、知事選後の海外出張を調べて驚きました。
知事はこれまで自らの海外出張に、わかっている28回分だけでも4億6600万円以上の税金を使いましたが、「反省」したはずの今期になってからはどうか と言えば、今期の海外出張は、すでに13回を数え、使った税金は2億200万円を越えています。昨年度の決算を調べたら、実に1億5千万円、予算の4倍も 使っているではありませんか。まさに予算の枠などどこ吹く風です。
その中身もひどいものです。宿泊費は、条例で定められた上限額など「あってないが如き」であり、一泊10万円を超える宿泊費は当たり前で、北京オリン ピック開会式に参加した時は、夫人とともに一泊24万円もするデラックスルームに宿泊しています。ローザンヌ出張の時は、昼食を食べるためにわざわざ新幹 線で美食の都リヨンに寄り道をする、シンガポール出張では、空港からわずか2?30分の移動のために、1日24万円も払い、ガイドには1時間1万6000 円の時給を払う、といった具合です。
その一方で都民に対してはどういうことをやっているのでしょうか。聴覚障害者のための「要約筆記者派遣事業」355万円や、お年寄りの孤独をいやす「高 齢者安心電話事業」960万円という、予算額はわずかでも大切な役割を果たしてきた福祉の事業を無慈悲に廃止するなどということが常態化しているではあり ませんか。
知事、自らの税金のムダづかいをどう認識しているのですか。ムダづかいを今こそあらため、税金を都民のためにこそ使うべきだと思いますが、どうですか。

雇用対策

雇用対策はどうでしょうか。失業率は高止まりし、派遣労働者など非正規切りが今も続き、高校生、大学生の就職は超氷河期という深刻な状況から見れば、きわめて不十分です。この問題でも、知事の基本姿勢が厳しく問われています。
たとえば、いくつかの府県では、知事自らが乗り出して雇用をふやそうとしているのに、石原知事にはそうした姿勢はみられません。

知事、あなたは、雇用をめぐる深刻な実態をどう認識しているのですか。東京の知事として、都民の雇用拡大にどう責任をもつのですか。知事自身が経済団体や大企業にたいし、雇用拡大を求めるべきではないですか、答弁を求めます。

ある中小企業団体のアンケートでは二割以上が、人手がたりないと答えています。
都内で行われた大学連携の合同面接会に参加した多くの学生が、インターンシップを利用し、現場実習を通じて正社員として採用されたといいます。70社落ちた学生がこの取り組みで就職できた例も聞きました。
中小企業も大学も、こうした制度の拡充を求めています。都として、受け入れ企業への財政支援や、受け入れ中小企業の開拓などをおこなうことを提案します。
知事は、都は先駆的な総合対策をやっているから場当たり的な派遣村には協力しないなどといっていますが、とんでもない認識です。今のままでは、今年も年越し派遣村が必要になることは明らかです。
知事の言う「総合対策」は、要件が厳しく、貸付中心で、活用しにくいものです。抜本的に改善、拡充することこそ必要です。どうですか。

派遣切りなどで住居を失った人の場合は本当に深刻です。緊急の住まいの確保のために、多くの県や市では公営住宅を提供しています。都も、都営住宅の提供をチャレンジ介護に限定せずに、必要な人に提供すべきです。
さらに、民間アパートの借り上げを拡大することを求めます。

中小企業対策

中小企業の資金繰りへの緊急支援も強化すべきです。都が年末に円高対策を実施することは重要ですが、限られた支援です。緊急保証については、都の 上乗せ助成をおこない、信用保証料の補助や金利の引き下げや返済を15年に引き延ばす措置を講じるとともに、債務の返済条件の変更を行った事業者にも柔軟 に対応し、新たな融資ができるようにすることが必要です。

都が実施する緊急雇用創出事業は、短期雇用が中心です。しかし、多くの労働者の願いは期間の定めのない、賃金の安定した正社員です。
都は正規雇用の拡大にこそ総力をあげることが必要です。そのためには、東京の雇用の七五%を占める中小企業への支援と、雇用創出を一体ですすめることが重要ですが、いかがですか。

具体的な二つの提案をおこないます。
第一に、特定分野で強みを持つ企業のさらなる技術力の高度化、強化、販路拡大をすることで、ニッチトップ企業、すなわち、これまで目をつけられなかった 分野にとりくむ先端企業などを育成し、雇用機会の拡大をセットで進め、事業者への支援を強めることです。すでにいくつかの県では、こうしたとりくみがはじ まっていますが、東京でも大田区などの企業がもっている技術力、製品開発力をいかした新産業、新製品などがうみだされつつあります。こうしたものづくりに 光をあて、都の資金援助によって中小企業の事業発展と雇用創出を一体ですすめることです。

第二に、製品開発、売上の向上などを計画している中小企業にたいして、資金の助成、専門家の派遣、低利融資などの支援をすることです。それぞれお答え下さい。
全国で160余りの自治体に広がった住宅リフォームへの補助金制度は、建設業者など仕事が大幅に増え、雇用拡大につながっています。都として住宅リフォームなどの助成制度の創設を求めるものです。

国民健康保険の負担軽減を

くらしの問題では国民健康保険加入者の負担を軽減することが差し迫った課題です。
区市町村国保は、そもそも高齢者や失業者など多くの低所得者が加入するものですから、手厚い公費の投入がなければ成り立ちません。しかし、国は84年に は約50%だった国庫負担を25%にまで減らしました。特別区国保については、かつては都が財源不足額を補てんしていたため、全国で保険料が一番安かった のに、石原知事のもとで都からの財政支援を大幅に減らしたために、一人当たり保険料は政令市で比べると8番目という高さになってしまいました。
国保料の滞納率は過去最高となり、23区だけで約13万7千世帯が正規の保険証を取り上げられています。医療団体の調査では保険証がなくて、自営業、無 職、非正規などの方々が我慢に我慢を重ね、受診した時には手遅れで死に至ったと報告された事例が昨年一年間で37件に上ります。
厚生労働省は、国民健康保険について現在の区市町村単位から都道府県単位に「広域化」する方針を示しましたが、国や都、区市町村の公費負担はほとんど増 やさないものです。しかも、区市町村の一般財源の投入を抑える方向です。これでは、都民の負担はますます大きくなり、困難に拍車をかけることは必至です。 このような広域化には反対であることを国にはっきり表明するべきですがどうですか。

こうしたなかで23区では、来年度から保険料計算の方法を変更しようとしています。もしこの変更が実施されると、低所得者、ひとり親世帯、障害者 がいる世帯などが保険料値上げになるのです。激変緩和措置がとられたとしても、低所得者などの負担増の仕組みに変わりはありません。国に対して、国庫負担 を増やすよう求めるとともに、都は、区市町村への財政支援を思い切って強め値上げを防ぐことが求められています。どうですか。

少人数学級など教育条件の整備を

今年、文部科学省は、ようやく四十人学級を見直し、学級規模を小さくする方針を公式に採用しました。小学1・2年生は三十人学級、小学3年生から 中学校までは三十五人学級とするための教職員定数の改善計画を策定し、来年度から順次進めるとしています。わが党は一貫して三十人学級を提案してきた党と して前進と評価しています。少人数学級を進める立場にたった文科省の方針を、都としてどう受け止めていますか。

都独自にでも、本格的に少人数学級の実施に踏み出すことを求めますが、それぞれ見解を伺います。

小中学校の普通教室の冷房化は待ったなしです。都自身の調査でも設置率は23区で96%となる一方、市町村では22・5%と格差は歴然としています。都の調査は、「今後の施策に生かすため」としているのですから、どう生かすのか明らかにしてください。

都として市町村立小中学校普通教室の冷房化推進へ財政支援を直ちに実施することを求めますが、見解を伺います。

都民のための財源確保を

都政には、雇用や福祉、教育など都民要求を実現できる財源はあるし、増やすこともできます。
なによりも、オリンピック招致の名目で三本もの環状高速道路の建設を一気にすすめ、1㍍1億円も外環道建設にかけるなどという巨大開発推進を最重点にした予算の使い方を見直すことです。

オリンピック基金4000億円は、都民の暮らしと雇用、福祉、食の安全の確保などに、計画的に使うべきです。見解を求めます。
同時に、都税収入を確保することが重要です。

この点で、政府税調で、法人税率減税にむけた議論がにわかに具体化していることは見過ごせません。これまで法人税や法人事業税の税率の引き下げを 中心とした税制改定が何度もおこなわれたことによって、都の法人二税は大きく落ち込んでいるのです。この十数年間の初年度ベースの影響額を積み重ねただけ で、東京都は8000億円以上の減収になっているのです。また法人事業税の一部国税化という不当な措置でも、3250億円もの減収になります。
そのうえ今後、経済産業省が主張する方向で、法人実効税率の引き下げがおこなわれれば、都は実に年間5100億円もの減収が加わるのです。
知事、それでいいというのですか。政府に対し、法人税引き下げ反対の立場をきっぱりと表明すべきです。
また、国の法人事業税吸い上げを即刻やめさせ、これまでの分もとりもどすべきです。それぞれ見解を伺います。

さらに、都民のための財源を確保するために、引き下げられてきた大企業に対する法人事業税の超過課税の税率を上限まで引き上げることを求めますが、見解を伺います。

青少年健全育成条例の撤回を

最後に、青少年健全育成条例の改定案についてです。
前回の改定案は、広範な都民・国民のみなさんと、漫画家、作家、出版界、そして法曹界などからも、強い反対の声があがり、否決されました。今回再び提出 された改定案は、行政による恣意的な判断によって図書規制の対象を拡大し創作活動の萎縮をもたらす危険、インターネットや携帯電話について家庭教育に行政 が介入する危険が強く、前回案と本質的に変わらないものです。現に知事自身が「実質的には前と同じ」と発言しているではありませんか。知事、多くの批判を あびた問題点を反省しないのですか。議会が否決したものと実質的に同じ条例案を再び出すのは、都民と議会の意思を無視するということではないですか。

さらに今回の改定案では、規制の基準に「刑罰法規」を持ち込んだために、青少年健全育成条例のいわゆる淫行処罰規定までが適用され、青少年の性や 愛を描いた作品がどこまで規制されるのかわからなくなります。また不当に誇張した描写という規制基準も、漫画表現を強く萎縮させることになります。これで は、創作・表現活動を前回改定案以上に抑制することになるではありませんか。

知事は、「表現を拘束するわけじゃない」「目に触れないところに置けと言っている」だけだと発言しました。
しかし、漫画家のみなさんは反対声明で、新たな規制により作品が一般の販売場所から撤去されるのではないかと心配すること自体が、創作活動の萎縮につな がるんだと訴えています。新聞の社説も、「産業でもある漫画は、流通にかかる圧力が表現に跳ね返りやすい」と指摘しています。だからこそ、作者も読者も、 強く反対しているのです。そもそも表現の自由には、発表・出版の自由の保障が不可欠です。知事の見解を伺います。

知事は所信表明で、目に触れさせてはならない漫画が店頭におかれている状況の改善は「猶予は許されない」と強調しました。しかし、日本PTA全国 協議会が実施したアンケートでも、父母が望んでいるのは自主規制が第一位で、有害図書等の範囲を現状より拡大するは最下位でした。規制第一でなく、中高校 生が自分で考え判断する力をいかに培うかにこそ、力をそそぐべきではありませんか。

今回の改定案にたいして、日本漫画家協会、日本ペンクラブ、出版倫理協議会、日本弁護士連合会をはじめ、広範なみなさんがこぞって反対していま す。先ほど知事は反対している方々を「わけのわからん反対しているやから」と発言しましたが、とんでもない暴言です。撤回すべきです。
知事、こうした声を真摯にうけとめ改定案は取り下げるべきです。

知事の答弁を求め、再質問を留保し、質問を終わります。

答弁

〇知事 畔上三和子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、築地市場の豊洲移転についてでありますが、築地市場は施設の老朽化がきわまり、市場業者の経営環境の厳しさも増しております。現在地再整備についてはかつて試みられましたが、とんざして終わりました。
今回、議会みずからが行った再検討の中でも、十数年かかるという致命的な事実が明らかとなりまして、選択肢たり得ないことは明白であります。
にもかかわらず、議会としての結論は、先の展望も示されぬままに先送りをされました。業界団体の大多数も早期の豊洲移転を望んでおりまして、現場に先の見えぬ状態のまま、それを待つ不安、焦燥、混乱を強い続けるわけにはいきません。
豊洲の移転予定地の土壌汚染対策については、我が国最高権威の学者の方々の英知もおかりして、日本のすぐれた先端技術を活用した汚染除去手法を編み出しました。現地での実験も済ませておりまして、汚染を克服できることが科学的なデータによっても証明されております。
世界に誇る日本の先端技術を、それを開発した日本人が信用しないで一体どうするんでしょうかね。この技術を駆使することで、市場用地としての安全・安心の確保は十分に可能であります。
現実を直視し、この問題の二十五年以上にわたる経緯、都民、国民生活への影響、財政面などもあわせて総合的に判断し、首都圏三千三百万人の食生活を支える新しい拠点市場を整備するために、豊洲移転を決断したものであります。

次いで、雇用についてでありますが、高どまりする失業率や、大学生の就職内定率の悪化など、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。雇用拡大には、国が実効性のある経済対策を進めていくことが本質的な処方せんであります。
都はこれまでも、切れ目のない雇用の創出や職業訓練の拡充、就業支援の充実など、さまざまな雇用対策に積極的に取り組んでいるほか、都内経済団体に対し、新卒者を初めとする雇用の拡大要請をきめ細かく行っております。
今後とも必要な施策を時期を逸することなく、重層的に実施してまいります。

次いで、青少年健全育成条例の改正案の提案についてでありますが、大人の責任で子どもたちを守っていくという条例改正のねらいは、今回の改正案においても変わっていません。あなたはどういう家庭か知らぬけど、自分の子どもにあんなものを読ませられるんですか。
これまでの議会での議論や、関係各方面の意見などを踏まえ、わかりやすく明確に改めて提案したものでありまして、都民と議会の意思を無視するようなものでは毛頭ありません。
この改正案は、インターネットや図書類に関する環境を改善するためのものでありまして、子どもを守るためにぜひとも必要であります。改正案の取り下げは全く考えておりません。
他の質問については、教育長及び技監及び関係局長から答弁いたします。

〇教育長 四点のご質問にお答え申し上げます。
まず、少人数学級に関する文部科学省の方針についてでございます。
都教育委員会は、小一問題及び中一ギャップに確実に対応し、教員が子どもと向き合う環境をつくるために、教員を加配して学級規模の縮小も可能とするなど の施策を平成二十二年度から講じております。この施策の実施に当たりましては、四十人学級のメリット、すなわち生活集団としての学級の教育効果、切磋琢磨 による社会的適応能力の育成について十分配慮しており、学級編制基準の四十人は変更しておりません。
都教育委員会は、学習指導や生活指導の両面から、児童生徒一人一人の特性を十分理解し、個に応じた指導を行う必要がございますことから、これまでも国に対して教職員定数を一層充実すべき旨の提案要求を行っており、引き続き国の動向を注視してまいります。

次に、少人数学級の実施についてでございますが、都教育委員会は従来から、学級の生活集団としての教育効果を考えた場合、児童生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力をはぐくむため、学級には一定規模が必要であると考えているところでございます。

次に、公立小中学校の冷房化に関する調査についてでございますが、この調査は、都内公立小中学校の冷房化の現状について把握し、今後の施策の検討に生かすために実施したものでございます。

次に、公立小中学校普通教室の冷房化についてでございます。
学校の施設、設備の整備は、学校の設置者が行うこととなっており、公立小中学校の冷房化については、設置者である区市町村の権限と責任において行うことが原則でございます。
ことしの記録的猛暑により、冷房化という緊急の課題が生じ、各区市町村は限られた財源の中でその対応に苦慮しております。
こうした状況を踏まえて、良好な教育環境の確保を目的として、学校設置者に対する財政支援策を検討してまいります。

〇東京都技監 二点のご質問にお答えいたします。
まず、離職者に対する都営住宅の提供についてでございますが、現在、離職者のうち、介護職への就労支援事業の対象となった方の一時住宅として、都営住宅 を十戸提供しております。都営住宅は応募倍率が高く、恒常的な空き家がないことに加え、高齢者や障害者などの入居希望者も多数いることから、単に離職者と いう理由だけで都営住宅を提供することは極めて困難でございます。

次に、住宅リフォームについてでございますが、都は良質な住宅ストックの形成のため、消費者向けには、住宅リフォーム相談窓口の設置やガイドブックの作成、事業者向けには、事業者行動基準の作成や講習会の支援などを行っております。
また、マンション共用部分を対象とした改良工事への助成を行うなど、既にまちづくりの観点から必要な対策を適切に実施していると考えております。

〇中央卸売市場長 五点のご質問にお答えいたします。
まず、土壌汚染対策の情報公開や専門家による検証についてでございます。
これまでも、土壌汚染対策に関するすべての調査結果、会議の資料や報告書、実験データ等につきましてはプレス発表し、適宜記者会見も行った上で、ホームページ上で公表しております。
また、詳細設計や今後進める対策工事につきましては、必要に応じ、技術会議委員など、専門家に内容を確認しながら進めていくこととしております。
今後とも、環境影響評価の地元説明会などでわかりやすく説明し、質問には丁寧に回答していくなど、きめ細かな情報提供を行い、市場関係者や都民の信頼と安心が得られるように努めてまいります。

次に、土壌汚染の拡散についてです。
豊洲新市場予定地における汚染状況につきましては、十メートル区画で敷地全域の表層土壌調査と地下水調査を行い、さらに、汚染が確認された地点で深度方 向に調査を行うことで、汚染の全容を確実に把握してございます。土壌汚染対策につきましては、こうした調査結果に基づきまして、操業に由来する土壌や地下 水の汚染物質をすべて除去した後、液状化対策などを行ってまいります。
市場施設のくい打ち工事につきましては、このように汚染物質をすべて除去した後に行うことに加えまして、通常、打ち込んだくいは周辺の粘性土と密着しているのが普通であるとの見解を技術会議の委員から得ており、汚染を拡散させることはないと考えてございます。

次に、築地市場の施設の老朽化についてです。
築地市場は、開業から既に七十五年を経過しており、築四十年以上の建物が五割を超えるなど老朽化が著しく、市場機能を維持するには限界があります。ま た、平成八年度以降行いました場内施設の耐震診断におきまして、十分な耐震性を有しない施設が十棟あることが判明してございます。このため、築地市場では 毎年約二百件、金額にして二億円以上の修繕工事を継続して実施してきておりまして、この十二年間の合計では三十億円を超え、他の市場と比較しても格別に多 い額となってございます。
また、耐震改修工事も耐震診断後、順次実施してきておりまして、その結果、四棟の耐震性が確保され、三棟は耐震性が向上し、残る三棟につきましても、現在、市場業者と工事の調整中でございます。
このように都は、築地市場の老朽化対策、耐震化に最大限努めてきておりまして、緊急対策を怠ってきたというご指摘は当たらないと考えてございます。

次に、都民も業者も安心できる卸売市場づくりへの転換についてでございます。
築地市場における取扱量の減少や、経済不況に伴う市場業者の経営悪化という状況のもとで、都は、市場関係者が差別的な取り扱いを受けることなく、公正、 効率的な取引の機会を確保し、公正な価格形成が実現できるよう、条例に基づきまして、取引の監視、指導を行っております。また、経営に苦しむ市場業者に対 しましては、きめ細かな財務検査ですとか経営改善指導、新規の事業展開を行う際の補助制度の創設など、経営基盤の強化に向けてさまざまな支援を行ってござ います。
しかしながら、都民や市場業者が安心できる卸売市場とするためには、ソフト面の対応では限界があり、豊洲新市場への移転によりまして、施設の老朽化、狭 隘化等の課題を解決し、品質管理の高度化や加工等の新たな顧客のニーズの機能を加えるなど、抜本的な対策が不可欠であります。

最後は、築地市場の現在地再整備計画についてです。
先ほど知事がご答弁しましたとおり、この問題の二十五年以上にわたる経緯、都民、国民生活への影響、財政面などもあわせて総合的に判断し、豊洲移転を決断したものでありまして、都として現在地再整備計画をつくる考えはありません。
築地市場は、施設の老朽化が限界に達しており、市場業者の経営環境も極めて厳しい状況に置かれてございます。
現在地再整備につきましては、過去四百億円を投じ、工事を推進いたしましたが、営業への深刻な影響などからとんざしました。今回、議会みずから行った再検討の中でも、十数年かかる致命的な事実が明らかとなってございます。
今後、都は、首都圏三千三百万人の食生活を支える豊洲新市場の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。

〇知事本局長 知事の海外出張の経費についてでございますけれども、知事の海外出張は、いずれも都市外交を初 め、都政の重要課題に対応するものや、政策実現のために必要な出張であることに加えて、適正な手続も経ていることから、支出は妥当なものであり、むだ遣い との指摘は当たらないものと考えております。

〇産業労働局長 五点の質問にお答えいたします。
インターンシップ受け入れ企業への支援や企業開拓についてでありますが、都は東京しごとセンターにおいて、企業での就業体験を行うインターンシップを実 施しており、受け入れ企業に対しては、実習に伴う費用の一部を負担しております。また、インターンシップの受け入れ等に協力の意思のある若者ジョブサポー ター企業の募集を行っており、現在四百社を超える登録がございます。
国においても、新卒者の厳しい就職環境を受け、新卒インターンシップ事業やトライアル雇用事業等を実施しております。
引き続き、企業にこうした事業の周知を図るとともに、インターンシップ制度の利用を促進してまいります。

次に、中小企業に対する資金繰り支援についてですが、都は平成二十年十月から、国の緊急保証制度に対応し、制度融資の最優遇金利を適用した融資メ ニューである経営緊急を実施しております。融資期間は、国が定める期間の上限である十年としており、特に小規模企業者に対しては保証料の二分の一を補助す るという、都独自の対応を行っております。
今回の円高に対しても、この経営緊急に加え、制度融資のメニューを拡充し、既に対応しております。

次に、保証審査は、経営内容や事業の将来性、返済能力など、企業の経営実態を勘案して行われており、中小企業の運転資金の確保や既往債務の借りかえによる返済負担の軽減に利用されております。
なお、条件変更について、国は、条件変更を行ったことのみをもって直ちに保証対象外となるわけではなく、保証協会において個々の実情に応じて判断するとしております。

次いで、正規雇用の拡大に向けた中小企業への支援についてでありますが、緊急雇用創出事業は、失業者の増大に対応するため、臨時的なつなぎの雇用 の場を提供するものであり、正規雇用を拡大していくためには、国が実効性ある経済対策を進め、雇用の創出につなげていくことが不可欠であります。
都は、正規雇用の拡大に向けて、安定的な雇用機会の創出を図るふるさと雇用再生特別基金事業や、就職氷河期世代の正社員化を支援するネクストジョブ事業 を既に実施しております。これらの事業で正社員として受け入れた企業等には、採用助成金を支給するなどの支援を実施しております。
今後とも、雇用情勢を踏まえ、こうした取り組みを通じ、中小企業における正規雇用化を支援してまいります。

次に、都の資金援助による中小企業の事業発展と雇用創出についてでありますが、都は既に、中小企業が行う新製品や新技術の開発に対し、経費の一部を助成する新製品・新技術開発助成事業など、各種の制度を整備し、支援を行っております。

最後に、中小企業の製品開発などへの支援についてでありますが、都は既に、中小企業が行う新製品や新技術の開発などに対し、経費の一部を助成する制度を整備して支援を行っております。
また、東京都中小企業振興公社で、中小企業からの依頼により専門家を派遣し、相談に応じております。
さらに、都の制度融資では、新製品や新技術の開発などに取り組む中小企業を、最優遇金利が適用される産業力強化融資の対象としているところでございます。

〇福祉保健局長 四点のご質問についてお答え申し上げます。
まず、低所得者、離職者対策についてでありますが、都は、生活安定化総合対策事業におきまして、貸し付けのみならず、生活費の支給と一体となった職業訓練を実施するほか、きめ細かな生活、就労、住宅相談を行うなど、重層的な支援を行ってまいりました。
これまで四千人以上の方が職業訓練を受講し、そのうち千人以上の方が生活資金の貸し付けを受けております。また、二千人以上の住居喪失不安定就労者など が、個々の状況に応じた支援を受けるなど、既に多くの方が利用をしており、活用しにくいという批判は全く当たらないものと考えております。

次に、緊急の住まい確保のための民間アパート借り上げについてでありますが、都は、住居を失った離職者等に対する介護人材育成支援事業や、ホームレスの自立支援システムの中で必要な民間住宅を確保し、活用いたしております。

次に、国民健康保険の広域化についてでありますが、国民健康保険制度の見直しに当たっては、その構造的問題から生じる医療保険制度間における保険料負担の不公平や財政運営上の課題等につきまして、抜本的な解決策を講じるよう、既に国に提案要求を行っております。

最後に、国民健康保険料についてでありますが、保険料の算定方式は、保険者である特別区がみずから定めるものでございます。
都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき、各保険者に対する財政支援を行っております。今回の算定方式の変更に伴い、都として新たな財政支援を行うことや、国に対して国庫負担をふやすよう求めることは考えておりません。

〇財務局長 三点についてお答えをいたします。
まず、予算の使い方についてでありますが、外環道を初めとする都市インフラの整備は、渋滞の解消など、都民の利便性の向上だけでなく、国際競争力を高め、東京の活力を維持する上で不可欠な取り組みであることから、着実に進めていく必要があるものと考えております。
今後とも必要な都市インフラの整備に対し、引き続き適切に財源を振り向けてまいります。

次に、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金についてでありますが、この基金の取り扱いにつきましては、オリンピック・パラリンピック再挑戦についての今後の論議などを見定めつつ、適切に対応してまいります。
なお、これまでも都は、福祉や医療、教育はもとより、雇用環境や中小企業に対する施策、都市機能の充実など、都民にとって必要な施策を着実に実施しているところであります。

最後に、法人関係税についてでありますが、今後、法人実効税率の引き下げが実施されれば、地方財政、とりわけ都財政において大きな減収となるおそ れもあることから、国が国家戦略として実効税率の引き下げを行うとしても、地方の行政サービスに影響を与えないよう十分な配慮を行うべきであると考えてお りまして、都は従来からこうした立場を明らかにしております。
また、法人事業税の不合理な暫定措置につきましては、これまでも都は即時撤廃を求めてきたところであり、一日も早く地方税として復元するよう、国に対し引き続き強く働きかけてまいります。

〇主税局長 法人事業税の税率の引き上げについてでございますが、法人事業税における超過課税の税率は、地方の課税自主権に基づき、標準税率の一・二倍までの範囲で、条例により独自に定めることができることとされております。
都においては、大都市特有の財政需要に対応するため、資本金等の額が一億円を超える法人に対して、標準税率の一・〇五倍相当の税率を定め、特別の負担を求めているところでございます。
税率の再引き上げにつきましては、現在の我が国の経済情勢や法人の国際競争力等の状況を踏まえると適当でないと考えます。

〇青少年・治安対策本部長 三点のご質問にお答えいたします。
まず、創作、表現活動への影響についてであります。
いわゆる淫行処罰規定も含め、刑罰法規は社会生活において違反しないように努めるべき、最も明確で社会的合意の確立した規範であり、対象が不明確との指摘は当たらないと考えます。
また、不当に誇張するように描写とは、例えば強姦の場面を全編大部分にわたり、必要以上に延々と微に入り細に入り描いたり、執拗に反復して描いたりし、 そのため、読み手である青少年のこれらの性交等に対する抵抗感を弱めてしまうようなものであり、漫画において当然に伴う誇張的な描写、いわゆるデフォルメ 一般について述べているものではありません。したがって、創作、表現活動を抑制するようなものではありません。

次に、発表、出版の自由についてでございますが、条例が定める仕組みは、青少年の健全な育成を妨げるおそれのある図書類を青少年の目に触れないよう区分陳列することであって、漫画等の発表の場をなくしたり出版できなくしたりするものでは全くありません。
また、同種の仕組みは、長野を除くすべての道府県の条例に規定されており、岐阜県の同種条例に係る最高裁判決においては、このような仕組みについて、憲法第二十一条第一項に違反するものではないと判示しています。
この区分陳列の仕組みは、条例制定以来、五十年近く第三者機関である青少年健全育成審議会への諮問などの慎重な手続を経て運用されており、今回の改正によってもこの慎重な運用に変わるところはございません。

最後に、中高生の判断能力の形成についてであります。
まず、ご指摘のアンケートは、全国のPTAとしての図書類に関する取り組みのあり方についての設問であって、そもそも東京都の条例改正について尋ねたものではありません。
他方、今回の条例改正については、都内の多くのPTA関係団体から条例成立に向けた要望をいただいています。
なお、都以外の道府県では、性的描写の分量による基準に沿って区分陳列の対象を図書類販売業者が判断する包括指定制度を導入しており、これらの道府県の保護者を含めたアンケートにおいて、業者による自主規制の徹底や強化を望む声が多いのは当然であります。
さらに、このアンケートは複数回答であり、ご指摘の有害図書の範囲の拡大を求める回答のみならず、条例による規制を求める回答も含めると三六・二%に上るものであります。
中高校生が自分で考え、判断する力を培うことは重要ですが、その力が培われる前に、大人が知らないところでその判断能力の形成を妨げるおそれのある図書類に触れないようにするため、条例改正を提案するものであります。

再質問

まず、青少年条例問題について、知事に二問、再質問します。
第一に、知事は記者会見で、わけのわからない言葉を削除しましたが、実質的には前と同じと述べました。ところが答弁では、条例改正のねらいは変わっていないと、ねらいにすりかえました。
前回の改定案が否決されたのは、行政の恣意的な判断で漫画やアニメへの規制を拡大し、創作表現の萎縮をもたらすという問題を抱えていたからです。今回の 案もこの本質は変わらず、さらに規制が拡大されます。口では幾ら否定しても、条文そのものは恣意的な規制ができるようになっています。
国旗・国歌法が制定されたとき、小渕首相は国民に義務づけないと答弁しましたが、現実には、この法律ができたことによって、石原知事は学校現場での日の丸・君が代の強制を激しくしました。これと同じことが行われる危険が強いのです。知事、いかがですか。

第二に、日本漫画家協会、日本ペンクラブ、日弁連などがこぞって反対しているのですから、知事は条例改定を強行するのではなく、みずからこれらの方々とひざを交えて議論する場を設けるべきではないでしょうか。知事、お答えください。

次に、市場問題についてです。
第一に、知事は豊洲の移転予定地について、安全・安心の確保は十分可能と答えました。しかし、豊洲の土壌汚染は、汚染がなかったはずが実はあったの繰り 返しでした。実験を済ませたといいますが、環境基準四万三千倍のベンゼンなど、高濃度汚染の処理はやられず、実験状況もひた隠しにしました。これでは信用 ができません。外部の専門家の検証を受けるべきです。知事、どうでしょうか。

第二に、知事は現市場の老朽化はきわまるといい、市場長は老朽化対策は最大限やってきたという。一体どちらが本当なのでしょうか。知事が豊洲に移 転させようとしたため、この十二年間、市場の万全な改修や耐震化が行われてこなかったわけです。市場再整備の時計もとまったのです。これを移転の理由にす るには許されません。
以上二点、知事の答弁を求めます。

再質問答弁

〇青少年・治安対策本部長 大人の責任で子どもた ちを守っていくという条例改正のねらいは、今回の改正案においても何ら変わるものではございません。しかし、これまでの議会での議論や各方面から示された 意見なども踏まえ、規制対象の明確化、法律との関係の明確化などを図り、改めて提出したものであります。
この条例に定める区分陳列の仕組みは、条例制定以来、第三者機関である青少年健全育成審議会への諮問などの慎重な手続を経て運用されており、恣意的な運用をしているものではございません。今回の改正によってもこの慎重な運用に変わるところはございません。
条例改正案に関する説明等でございますが、これまでにも各団体のご意見は承ってまいりました。条例の運用に当たりましては、施行前に必要に応じて丁寧に説明してまいります。

〇中央卸売市場長 まず、土壌汚染対策の有効性に ついてでございますが、これまでも何度もご説明していますけれども、豊洲の土壌汚染対策につきましては、我が国の最高権威の学者の方々の英知をおかりし て、日本のすぐれた先端技術を活用した技術でございまして、有効性については既に実証されているものでございまして、それを豊洲での実験で行い、さらに技 術会議で有効性について確認されてございます。したがいまして、改めて技術会議のご報告をごらんいただきたいというふうに思っております。
それから、築地市場の老朽化でございますが、開場から既に七十五年を経過し、築四十年以上の建物が五割を超えるなど、老朽化そのものについては限界を超えている、耐用年数を超えているということでございます。
しかしながら、東京都といたしましては、この築地市場の機能を維持するため、金額にして毎年二億円以上の修繕工事を実施しているというところでございまして、我々とすれば、できる限りの対策を築地市場に対して行ってきたというものでございます。

以上

小児救急パンク状態 ー3病院存続迫る(都議会代表質問)(10.03.02)

小児救急パンク状態 ー 3病院存続迫る

                                                   2010.03.02

「都議会代表質問」
m-DSCN00022 日本共産党の清水ひで子東京都議は2日、都議会本会議で代表質間に立ち、3環状道路など大型開発やオリンピックの名による無駄いをやめ、都民の暮らしと福祉を充実するよう石原慎太郎知事に迫りました。

清水氏は、石原知事が都立小児総合医療センター(府中市)を1日に開院した代わりに、八王子、清瀬、梅ケ丘の都立3小児病院の廃止を16日に強行しよう としていることを批判し、病院存続を要求しました。すでに3小児病院の病棟の縮小、外来の閉鎖で地域医療の小児救急や小児精神科医療が大後退し、 NICU(新生児集中治療室)の空白が生じていると指摘しました。

清水氏は、都が清瀬小児病院の代替としている多摩北部医療センターは混雑し電話もつながりにくく、診察は100人待ちと言われるなどすでにパンク状態、 八王子小児病院の代替としている二つの大学病院も2月末まで救急患者を受け入れられない時間帯が生じていると指摘。「小児病院廃止で空いた小児救急の穴 は、小児総合医療センターができても解決しない」と批判しました。

清瀬、八王子の小児病院廃止で生じるNICUの新たな空白地域の穴をどう埋めるのか示さずに、廃止することは許されないと追及しました。

児童精神科の専門医療機関が少ないなかで、梅ケ丘病院がある世田谷区内のクリニックでは昨年夏から患者が増え始め、受診まで半年待ちという事態を示し、「3小児病院を存続しつつ、小児総合医療センターの診寮規模を段階的に広げていくべきだ」と求めました。

石原知要は、医師不足を理由に統廃合を合理化しました。

清水氏は再質問で「医師不足を口にするが、都立病院再開の理由は財政問題にあると、知事の諮問文にも書いてある。要はお金を出したくないということ」「医師不足が打開できても、地域に病院がなければ地域医療の立て直しはできない」と指摘しました。

築地市場現地で再整備も要求

日本共産党の清水ひで子東京都議は2日の都議会代表質問で、築地市場を高濃度の有害物質で汚染された江東区豊洲地区に移転しようとする石原慎太郎知事の責任を追及し、現在地再整備案の公募を行うよう迫りました。

清水氏は、石原知事が2010年度予算案で新市場予定地の購入費を計上したことを、「都議選で築地市場移転反対の審判が下ったのに、あくまで移転を強行 する予算だ」と批判しました。「市場整備にあたり最も重視すべきは食の安全。にもかかわらず、なぜわざわざ土壌汚染が存在する豊洲に市場を移すのか」と述 べ、都の汚染土壌処理策が専門家から「安全を確保できない」と批判されていると指摘。都の処理策が現地の汚染や土質状況に即して確実に無害化が可能か実証 する実験すら行わずに、進めることは許されないと強調し、予算案の撤回を求めました。

清水氏は、国内外の多くの市場で現地再整備を行っており、築地市場でも民間団体が現地再整備案を提案したことを示し、再整備案の公募を行うよう求めました。

都の岡田至中央卸売市場長は、現地再整備案の公募は考えていないと拒否しました。

(しんぶん赤旗より)

※関連記事「なんとしても存続を! 都議会前、連絡会が座り込み」
※都議会本会議代表質問全文はこちら

第一回定例会最終討論(09.03.27)

第一回都議会定例会 討論  二〇〇九年三月二七日

河野百合恵(江戸川区選出)

 日本共産党都議団を代表して、第一号議案「平成二十一年度東京都一般会計予算」ほか二十六議案に反対、議員提出議案第一号「東京都奨学費給付条例」ほか一議案に賛成、議員提出議案第三号に反対の立場から討論します。

 今議会は、自公政権がすすめた構造改革にくわえ、金融不況の影響と、それを口実にした大企業の雇用破壊によって、失業 者が増大しつづけ、都民の生活がかつてない厳しさにおかれているもとで開かれました。まさに、東京都と都議会が、都民の深刻な実態に、いかに立ち向かうか が問われた議会でした。
知事提案の予算案は、緊急雇用、中小企業対策など、いくつかの前進的施策はあるものの、とても都民の実情に応えるものとはなっていません。
むしろ、石原知事就任以来十年間の都政版「構造改革」を徹底し、くらし、福祉・医療などの切り下げを都民に押しつける一方、大企業のための「都市再生」 を最大の目的にして、三環状道路建設をはじめ投資型経費を連続的に拡大するなど、オリンピックをテコにした開発をいっそうおしすすめることを中心としたも のといわざるを得ません。

 実際、今議会では、清瀬、八王子の小児病院、梅が丘病院の廃止条例案が大きな争点となり、広範な都民の批判が広がりました。
いま、小児医療、周産期医療が危機的な状況におちいっている、まさにその時に、三つの都立小児病院を一気に廃止することは、知事の無責任さを象徴するものです。
医療人材不足だから「ない袖はふれない」、「三つの小児病院は存続できない」と言いますが、都立看護学校を四校も廃止して看護師養成を半減させたり、都 立病院への財政支出を削減し、医師、看護師の待遇改善を怠ってきた石原知事の責任こそきびしく問われます。 「これ以上、子どもの命を脅かすのはやめて」 と、連日都庁前での座りこみやデモ行進もおこなわれました。この声にこたえるべきです。青島知事の時の計画では、多摩地域に拠点病院をつくったとしても、 清瀬、八王子の小児病院は存続させる必要があるとされていたのです。
わが党が提案したように、三つの小児病院を存続し、府中に新設する小児総合医療センターは必要最小限の規模からスタートし、医師確保をすすめながら段階的に拡大していく。これが最も現実的な道だということを、あらためて指摘しておくものです。

 群馬県の老人ホームの火災で、東京の高齢者七名が亡くなりました。この問題から、都内の公的施設が足りないため、所得の少ない要介護高齢者が行き場を失い、他県や都内の「貧困ビジネス」と言うべき無届けの劣悪な有料老人ホームに依存している実態がうかびあがりました。
ところが石原知事は、「行政の責任だけではない」とか「日本ほど高福祉・低負担の国はない」などという責任のがれに終始しました。この十年、石原知事は 高齢者は豊かになったなどと言って、老人福祉手当やマル福の廃止、特別養護老人ホームへの補助の大幅な削減、シルバーパスの全面有料化などをすすめまし た。その結果、総務省の最新統計によれば、東京都の歳出決算額にしめる老人福祉費の割合は、知事が就任した一九九九年は全国二位でしたが、二〇〇六年には 四十七位と最下位に転落しました。そのうえ、来年度予算で特別養護老人ホーム整備の用地費助成を廃止しようとしていることはゆるされません。
国の「構造改革」路線と一体に全国に先駆けて福祉を切りきざみ、公的責任をなげだしてきた石原都政の異常な姿が、まさにここに表れていることを、厳しく指摘するものです。

 都民の強い要求があるにもかかわらず、全国で唯一少人数学級を実施しないことも、子どもの教育費を出し惜しむ石原都政の冷たい姿勢を象徴的にしめすものです。これらの分野は、都民にとって、まさに「失われた一〇年」だったのです。
くらし、福祉の充実は、税金のムダづかい、浪費をただし、予算の使い方を都民第一に切り換えていけば実現できます。日本共産党は、この立場から、来年度予算の組替えを提案しました。
一般会計予算の五・二%を動かすことで、年金が目減りし、後期高齢者医療制度や介護保険負担増で苦しむ七十五歳以上の高齢者の医療費無料化を計画的にす すめること、保育園の待機児解消にむけた緊急対策として認可園増設の用地費助成を創設すること、不況で苦しむ製造業者を元気にするものづくり支援事業、延 べ百万人分の緊急雇用、制度融資拡充、三〇人学級、都営住宅の新規建設など、百七十項目以上の都民要求を実現するものです。
そのため浪費的投資を大幅に削減し、一千億円のオリンピック基金の積み立てや、財政調整基金の一部を取りくずし、活用するものです。これに対し、公明党 が「無責任」などと非難を浴びせましたが、とんでもありません。一兆円をはるかに越え、すぐに活用できる財調基金を、いま不況で苦しんでいる都民のために 緊急に、そのごく一部を活用することの、どこが無責任なのでしょうか。

 日本共産党は、今議会にも二つの政策条例を提案しました。
公立・私立高校生への奨学費を支給する条例案は、経済的な理由で部活や修学旅行に参加できない、卒業間際に授業料滞納で退学するなどの、深刻な教育格差を是正するために、他の政令都市でも実施されている制度です。
シルバーパス条例改正案は、所得に応じた三千円などのパスを発行するとともに、多摩モノレールやゆりかもめも利用対象にするもので、これにより、現在対象者の半分まで減っているパス利用者が大きく拡大することが期待されます。
いずれも、都民要望に応える提案として、各会派のご賛同をお願いします。
なお、自民党は、予算をともなう政策条例は知事との調整のうえ出すべきだ、などと言って反対しました。そんなことをいったら、知事が首を縦に振らない政 策条例は出せないことになります。自民党の立場は、議案提案権という伝家の宝刀をぬく意志も気力もなく、さびつかせてしまうなさけないものです。日本共産 党は今後も議会の条例提案権を最大限に行使して、都民要望の実現と議会の活性化を推進することを表明しておきます。

 都民要望を実現する上で、いま石原知事の、二〇一六年オリンピック招致と、それを口実にした浪費をなくすことがさけて 通れません。とりわけ、外郭環状道路は、地元住民が猛反対し、地元自治体の合意にほど遠い現状なのに、知事が「オリンピックに間にあわせる」という、計画 前倒しの姿勢を変えていないのは、都民無視もはなはだしいといわざるをえません。建設費一兆六千億円のうち、都の負担分はますます膨れ上がる可能性が強 く、その上、地上部道路や、東名高速道路以南と合わせると総額四兆一千億円です。
これらを含めた九兆円の浪費的投資を、都民は断じて認めないでしょう。
都民の多くは、「この経済不況のときにオリンピックどころではない、仕事やくらしを支える予算の使い方をしてほしい」と切実な声をあげています。知事は都民の声を真摯に受け止め、招致レースから、きっぱり撤退すべきです。

 新銀行東京について、今議会で石原知事自身が、質疑の中で、「結果を見ればマスタープランが足かせ手かせになり、マイナス要因になったのではないか」などと述べています。
そうであるなら、旧経営陣の責任だけでなく、都が主導して作成したと産業労働局長も認めたマスタープランを何が何でもおしつけた、知事と大塚・津島氏ら当 時の都庁幹部の責任を問わない理由は、何一つなくなるではありませんか。知事は新銀行東京破たんの元凶(げんきよう)としての責任をいまこそ果たすべきで す。

 知事提案の金融支援条例が、新銀行東京の破たんを何とか糊塗(こと)し、存続するために出された疑いが、質疑を通じて浮きぼりになりました。
東京都は、条例案を検討する際、中小企業融資を支えている信金協会や信組協会、東京銀行協会などの意見を聞くこともせず、特定の金融機関とのみ意見交換しました。まさに、異常です。
しかも、産業労働局長は、条例が乱脈融資の救済に悪用される危険性を否定できないうえ、「新銀行救済の意図はまったくない」とくりかえすだけで、制度の 根幹については「検討中」「これから協議する」とくりかえすばかりでした。まさに、条例が制度設計もまともにできていない欠陥条例であることが浮きぼりに なりました。
まともな中小零細企業支援条例として出し直すべきです。

 築地中央卸売市場の豊洲移転問題について、わが党は昨年の専門家会議の調査報告書を全面的に分析し、これまで判明してきた二ケ所の有楽町層の欠落に加え、ゆりかもめの橋脚工事などによる有楽町層の破壊があることをつきとめました。
また、有楽町層が均一の地層ではなく、砂混じりの地層など水を通しやすいところが多く存在し、到底、「不透水層」だから安全などと言えるものではないこと、有楽町層の下に汚染が拡大している危険が明白なことを明らかにしました。
豊洲移転が、国の市場の広域化の考えを先取りし、大手流通資本や大規模小売店などに市場を開放するねらいがあることも重大です。食の安全を守るために豊洲移転を断念し、築地での現在地再整備に立ち戻ることを強く求めておくものです。

 知事提案の安全・安心まちづくり条例改正案は、秋葉原などの凶悪な殺傷事件の防止をうたい文句にしながら、それと無関係な繁華街のパフォーマンス等を、干渉、禁止することを奨励し、言論、表現の無制限な規制につながりかねない性格をもつものであり反対します。
しかし、日本共産党は質疑を通じて、「都民の自主的活動を推進するもので、権利を制限したり規制を課すものでないこと」、「警察や事業者がおこなう『啓 発活動』や『必要な措置』は、パフォーマンス等の街頭行為に対する個別的な指導や注意、要請は含まないこと」、「都が策定する指針に「規制を課すものでな い」ことを明記し広報で徹底すること」、などを答弁として確認しました。
東京都及び警視庁の答弁は、「立法趣旨」として改正条項の解釈と運用を拘束するものです。日本共産党は、改正条例の解釈拡大・乱用を許さず、街頭での言論表現の自由を守るために全力をつくすものであることを申し述べ、討論を終わります。

第3回定例会本会議での代表質問(村松都議)(08.09.25)

第三回定例会 代表質問  二〇〇八年九月二五日

   村松みえ子(日野市選出)

深刻な都民のくらしと中小業者の実態に心を寄せ、支援を図ることを都政の最優先課題と位置づけよ
オリンピックへの溜め込みやめ、新銀行からの撤退、汚染された豊洲予定地市場移転断念を

「新銀行への融資口利き」は重大、全容を明らかにせよ
中小企業支援とは無縁な金融機関、撤退せよ
7割が苦しくなった・・共産党が都内住民アンケート実施
市場原理主義の都政への持ち込みを改めよ
都の巨額な財源を都民のためにつかうべき
減税と低所得者への支援を
高齢者、子育て家庭への支援を
最低賃金の引き上げなど雇用支援を
中小企業支援を
オリンピックへのばらまきこそやめよ
インフラ整備の浪費にメスを
ゲリラ豪雨対策を
豊洲新市場予定地・・環境基準をこえる汚染は三六%の地点、延べ二千二百件余
現在地再整備に立ち返るべき
【再質問】

「新銀行への融資口利き」は重大、全容を明らかにせよ

日本共産党都議団を代表して質問します。
初めに、新銀行東京について伺います。
最近、与党各党議員や知事の特別秘書などの新銀行への融資口きき問題がマスコミで繰り返し報道され、我が党にも情報が寄せられています。都が追加出資を 決めた三月以降も都議の口ききが続いていたこと、紹介した企業や経営者から献金を受け取ったことも明らかになっています。本当に重大です。
我が党は、第二回定例会で、都議会与党の意向を受けて都が不正融資を押しつけようとしている、そのやりとりを記録したCDを示しましたが、最近の報道は まさにこれを裏づけるものです。識者からも、口ききの仲介は銀行への圧力と見ることもできる、行政の公平性や中立性から問題があるなどの声が次々に出され ています。
知事は、議員の口ききについて、当たり前じゃないか、あとは銀行の判断の問題などと無責任な発言をしました。とんでもないことです。知事、新銀行は民間 企業と違って、都が最大株主となった自治体設立銀行です。都の幹部や都議会議員が口ききをするということは、それ自体大きな圧力となり、無理な融資に応じ る原因となるのです。知事、そんなこともわからなかったんですか。お答えください。
知事は、経営破綻の原因をすべて旧経営陣に押しつけていますが、知事が欠陥計画を押しつけたことに加え、口ききによる無理な融資が、金融ブローカーの暗躍と相まって損失を膨らませてきたことは容易に推察できるものです。知事、いかがですか。
知事は、みずからの特別秘書や議員などの口ききにかかわる融資の実態、さらには新銀行を食い物にしてきた金融ブローカーの実態などについて調査し、全容を明らかにすべきです。答えてください。

中小企業支援とは無縁な金融機関、撤退せよ

新銀行東京の今年度第一・四半期の決算によると、中小企業への融資、保証は百六十四億円も減っています。実際の貸し出しでも、新銀行の融資を受け順調に返済していた業者が再び融資を申し込んだが断られ、他の金融機関から借りたなどということが続出しています。
新銀行を継続する理由は、中小企業の支援のためだといってきたのではなかったんですか。しかし、実際は、ますます中小企業支援とは無縁な金融機関になっ ているのです。知事、一体これで新銀行の存在の意義があるというんですか。しかも、知事は他の銀行との連携などを示唆していますが、四百億円を手土産に外 資系ファンドなどに売却してしまうというのが本音ではないのですか。これでは都民は踏んだりけったりではありませんか。それぞれ答弁を求めます。
都民の暮らしはそっちのけで、自治体が手を出すべきでない銀行業にしがみつくことは許せません。速やかにつぎ込んだ税金を取り戻し、撤退すべきことを申し述べておくものです。

7割が苦しくなった・・共産党が都内住民アンケート実施

さて、今、日本共産党は都内で住民アンケートに取り組んでおり、回答数は、十の区市の途中集計だけで約一万五千人に及びます。
生活状況を問う質問に対して、一万一千九百三十六人のうち八千七百六人、七二・九%は苦しくなったと答えています。おかずを減らし、水道、電気、ガス代 を節約、この夏の暑さでもクーラーをつけない、寒い冬は来ないでほしいというお年寄りなど、本当に追い詰められているんです。私の事務所に届いた三十代の 男性の回答は、年収百五十万円以下の派遣で働き、生活も何もいっぱいいっぱいで、社会から死ねといわれているようだ、それでも自殺しないで精いっぱい生き ていると書いており、胸が痛くなりました。
苦しくなった原因については、足立区でも杉並区でも物価高騰が八割以上と圧倒的ですが、その次には社会保険の負担増や増税という回答が続いています。小 泉内閣以来の構造改革路線、すなわち、アメリカ型の市場原理に基づき官から民への流れを加速させ、増税や社会保険負担増、雇用破壊を進めた痛みに加え、こ の間の物価高騰が国民、都民の生活に追い打ちをかけていることは明らかです。
国民の怒りが沸騰する中で、首相が二年連続で無責任な政権投げ出しを行い、昨日、麻生内閣が誕生しました。しかし、麻生首相は、国民を苦しめている構造 改革路線に対する反省の弁すら口にしませんでした。そして、実行するという緊急総合対策も、定額減税や高速道路料金引き下げは一年限り、原油、資材高騰の 元凶である投機マネーにメスを入れる気もなく、農漁業者や中小零細業者に対しても制度融資の上乗せ程度、小手先の手直しだけです。
知事、あなたは現在の都民の暮らしの現状について、そして痛みの原因と責任についてどのように認識していますか、お答えください。

市場原理主義の都政への持ち込みを改めよ

知事は、最近の記者会見で、アメリカの資本主義は間違っている、市場原理主義というのは違うなどと市場原理主義を批判しました。しかし、知事は、 都市再生の名による都心の再開発に、破綻したリーマン・ブラザーズなどが大株主となった外資系ファンドを引き入れるなど、みずからがアメリカ資本主義と市 場原理主義のお先棒を担いできたではありませんか。知事の発言が本意なら、このことを反省し、政策を改めるべきではないですか。
しかも、知事自身が市場原理主義を都政に持ち込み、福祉、医療などの事業や施設を次々廃止、縮小したり民営化してきました。この点についても改めるのが当然ではないですか、それぞれお答えください。

都の巨額な財源を都民のためにつかうべき

今、住民の福祉の増進を責務とするすべての自治体が何をおいても取り組まなければならない仕事は、住民の暮らしの苦しみを取り除くことです。まし て、東京都は巨額な財源を持っており、相当なことができるはずです。実際、東京都自身、来年度予算編成にかかわる副知事依命通達で、都財政は長らく続いた 財政の危機的状況を脱したと、財政が健全化したことを認めているんです。今年度を見ても、都税収入は史上最高の五兆五千億円とされ、取り崩し可能な基金が 一兆六千億円もあります。不要不急の浪費的支出を抑制し、これらの財源を都民のために積極的に計画的に使うべきです。
ところが、都は、景気の減速傾向が加速とか、法人事業税の暫定措置による減収が現実のものになるなどといって、都民の暮らしを守る本格的な対策を進めよ うとしないばかりか、さらなる都民施策の抑制さえしようとしています。とんでもありません。都税収入が落ちるといっても、ことしの税収は、石原知事が初め て予算編成した二〇〇〇年度の都税収入に比べて一・四倍の一兆六千四百億円もふえているんです。多少の税収減になったとしても、都民のために使える財源は 十分にあります。仮に将来都税が大きく後退したら、それこそ国税化された三千億円を取り戻せばいいのではありませんか。
都の依命通達も、都民は、物価高騰や食への信頼の低下などにより、経済面や安全面において不安を抱いており、都政がこれにどうこたえるかも問われている としています。巨額の財源は、浪費型オリンピックや大型開発、また、そのためのため込みに使うのではなく、今こそ都民の暮らし、福祉に使うべきです。知事 の答弁を求めます。
本議会に提案された補正予算案には、学校耐震や中小企業融資など、我が党が提案してきたものが不十分ですが含まれています。しかし、こうした予算は四割 にすぎません。しかも、補正予算案の原資となる昨年度の繰越金、すなわち余剰金九百五十六億円のほとんどは、福祉や教育、中小企業対策などの予算を使い残 すことによって生み出されたものです。基金についても、石原知事就任以来、都民に犠牲を押しつけ、この七年間に福祉や教育、中小企業などの施策を約三千五 百億円、人件費などを二千八百億円も切り捨てて、ため込んできたものです。これらをなぜ都民のために使わないのですか。予算を組むというのなら、この立場 で提案すべきです。

減税と低所得者への支援を

私は、以上の立場から、緊急課題に絞って質問します。
第一は、減税と低所得者への支援です。
知事は、昨年の都知事選の公約として、個人都民税の減税を打ち出しました。しかし、その後、知事は、ばらまきにつながると強弁して公約を撤回しました。 今、物価高騰によって都民生活はさらに深刻になっています。だからこそ、自公政権も、国民の批判をかわすため、一年限りとはいえ、定額減税を打ち出さざる を得なかったのではないでしょうか。知事はこれをばらまきというんですか。改めて東京都が一定所得以下の方に対する都民税の減税を行うことを求めます。知 事、それぞれ答えてください。
さらに、二十三区においては小規模住宅用地、都市計画税減税の三分の二への拡大、小規模非住宅地の固定資産税の減額を二割から三割に拡大すること、また、市町村でも同様の手だてが可能となるよう、都として財政措置を行うべきと思います。いかがですか。
減税の対象とならない低所得者への支援も求められています。第二回定例会では、都も、物価高騰による所得の低い人たちへの影響が懸念されるとの見解を示 しましたが、その後も、生活に欠かせない電気、ガス代、食料品などの高騰は続き、節約も限界という声が上がっています。この時点に立って、都としてどう対 策をとるお考えですか。生活保護基準程度の低所得世帯に対する緊急生活応援手当の支給を提案するものです。それぞれお答えください。

高齢者、子育て家庭への支援を

第二は、高齢者、子育て世帯への支援です。
高齢者分野では、後期高齢者医療制度への怒りの声はさらに広がり、七月の保険料通知に対し、都内の区市町村には、なぜ国保料と比べてこんなに上がるのか など、十七万五千件もの問い合わせや苦情が殺到しました。来月には、年金からの天引きがほぼ全区市町村で実施されることになり、怒りが広がることは明らか です。自民党と公明党も見直しをいい始めましたが、制度の根本に手をつけるものではありません。この際、国に対し、後期高齢者医療制度をきっぱり廃止す る、このことを求めるべきと考えますが、お答えください。
また、物価高騰から高齢者が外出を控え、家に閉じこもる状況が危惧されるだけに、高齢者の外出、社会参加を促進する上でシルバーパスの役割は重要だと考えますが、どうお考えですか。また、多摩都市モノレールなどへの対象拡大を求めます。答弁を求めます。
子育て家庭への支援では、多摩地域にとって中学三年生までの医療費無料化は急務です。第二回定例会において、都は市町村と協議すると答弁しましたが、協 議にどのように臨むのですか。私は、来年度には必ず実施するため、都が建設的提案を行うべきと考えますが、いかがですか。市町村が新たな負担なく中学三年 生までの無料化を実施できるよう、都が財政支援を行うよう強く要望しておきます。
物価高騰の影響は、授業料や塾代など教育費の負担が重い子育て世帯にとっても深刻です。公立小中学生には就学援助があり、四人に一人の生徒が受けていま すが、高校生にはありません。そのために、学費が払えず学校をやめたり、修学旅行にも参加できないなどの事態も起きています。高校生に対する新たな支援策 が必要ではありませんか。
食材費の高騰によって学校給食費の値上げが起きており、父母の負担軽減のために公費で支援する自治体がふえ、二十九区市に広がろうとしています。都としても、都立学校での負担軽減とともに、区市町村への支援が求められております。

最低賃金の引き上げなど雇用支援を

第三に、雇用についてです。
小林多喜二の「蟹工船」が若者に共感を持って読まれていますが、今、日雇い派遣の異常な実態を告発した我が党の国会質疑が契機となって、大企業での派遣 労働の廃止や派遣労働法の見直しなど、新たな動きが始まっているのです。都としても、都内の大企業に対し正規雇用拡大に努力するよう働きかけること、同時 に、都が率先して臨時職員や派遣職員を拡大するやり方を改め、正規雇用拡大に努めることが求められています。
都は、最低賃金が生活保護以下という実態をどう考えますか。国に対し時給千円以上に引き上げるよう要求すべきです。また、改定されたとはいえ、時給八百円程度と低過ぎる都の臨時職員の時給を直ちに引き上げることは当然と考えますが、それぞれお答えください。

中小企業支援を

第四に、景気悪化と原油、物価高騰が直撃している中小企業支援です。
補正予算で百六十五億円の預託原資の増額などを提案していますが、この程度では不十分です。融資対策では、預託原資の大幅増額、本人負担利率一%以下、三年以上元本据え置き、長期返済緊急融資の実施、さらに、京都府のように既存融資に対する返済期間延長を求めます。
都の公共事業については、建設業の場合、もはや単品スライドでは資材全般の高騰に追いつかないだけでなく、手続が煩雑で使えないという悲鳴が上がってい ます。手続の簡素化や、単品でなく工事費総額の上昇分を補償する制度に改善すること、さらに、最低制限価格の引き上げなどが求められています。いかがです か。
都民が消費する農産物、魚介類を供給する東京の農業、漁業の支援も重要です。燃料などの高騰から東京の農漁業を守るために、都としてどう対策をとるので すか。原油高騰対策として、燃料への直接助成、融資の利息補助を求めるものです。また、価格補償を検討すべきと考えますが、それぞれご答弁ください。
以上の提案は、千四百億円程度で実現できます。オリンピック招致を理由にした年間一千億円のため込み、新銀行失敗処理のための五百四十億円を回すだけで もおつりが来ます。問題は、知事が、深刻な都民の暮らしと中小業者の実態に心を寄せ、支援を図ることを都政の最優先課題と位置づけるかどうかの問題なんで す。

オリンピックへのばらまきこそやめよ

そのためにも、オリンピック東京招致を理由とした巨額な浪費にメスを入れることがどうしても必要です。それは、石原知事が無理やりにオリンピック の招致を盛り上げようと、都民の税金を振りまき、競技施設やインフラ整備へのなりふり構わない投資を行おうとしているからです。
まず、都民の税金百億円も使う招致活動です。立候補四都市中、東京のように住民の負担が大きいところはありません。シカゴは、招致活動経費のすべてを民 間資金で賄うとしています。マドリードも、市の負担は一〇%です。東京以外はどの都市も極力立候補都市の住民負担を抑えようとしているんです。
使い方もひど過ぎます。北京でのジャパンハウスでの招致活動には、石原知事夫妻などの旅費五百三十五万円、開会式の知事の通訳代九十五万円、宣伝用 DVD、冊子などに一億六千六百万円など、四億二千九百万円も都民の税金が使われたのです。そのほか、商店街へのオリンピックフラッグは一億二千五百万 円、テレビのコマーシャル放映料三億円など、挙げれば切りがありません。
こんなお金のばらまきをやって、しかも、北京オリンピックで盛り上がったというのに、最近の二つの世論調査では、東京への五輪支持は四六%にすぎず、東 京招致が成功しないが七一%だったのです。知事、お金の力でオリンピック招致をかち取る、こんな招致活動はオリンピック精神に反すると思いませんか。こん なばらまきこそやめるべきだと思いますが、知事、それぞれお答えください。

インフラ整備の浪費にメスを

競技施設経費も、候補都市の中で東京は最も巨額な負担を行い、費用がさらにふえることは必至です。このまま進めていいはずがありません。そして、 何よりも実に九兆円にも達するインフラ整備の浪費にメスを入れるべきです。中でも、石原知事が都政の最優先課題とする外環道路は二〇〇九年度着手をうたっ ていますが、事業費は、地下方式に加え外環その二の上部道路を合わせて二兆二千億円、さらに、必要なネットワーク路線として国が検討を始めた東名以南は一 兆九千億円、合わせて四兆一千億円です。しかも、今行われているどの地域のPIでも、会議を進めるほど批判や反対の声が広がっています。
オリンピック招致をてこに外環計画を強行することはやめ、外環ノ2の都市計画は直ちに廃止すべきです。答弁を求めます。
インフラ整備というのなら、今やるべきは、高速道路優先から防災対策優先に切りかえることです。

ゲリラ豪雨対策を

私は、ここで水害対策を取り上げます。
ことしの夏のゲリラ豪雨は、東京にも大きな被害をもたらしました。東京の雨量は、この十年間で、一時間一〇〇ミリを超えたのが十三回、その前の二十年間 が二回だったのですから、大激増です。こうした異常気象が地球温暖化とヒートアイランド現象によるものであることは明らかで、その抜本対策に今こそ全力を 挙げなければなりません。そのためには、ヒートアイランド現象やCO2の発生を激増させている要因となっている東京集中政策を改めることです。今日の時点 に立って、この間の都市づくりのあり方を総括し、今こそ都市の成長管理を行い、持続可能な都市づくりに転換を図るべきです。
緑地の保全と拡大にも全力を挙げる必要があります。稲城市の南山開発を中止し、町田市北部丘陵を保全するなど、多摩の緑地開発を規制し、里山の保全を図 ることを求めます。また、都市計画公園や地域の公園を倍加する計画を早急につくるべきです。水害を引き起こしやすい都市構造の改善に向け、がけ地の開発の 規制、雨水浸透施設や水害発生場所での小型の貯留施設の敷設計画を都の責任でつくり推進することを求めます。
また、ゲリラ豪雨対策として重要なのは、的確な豪雨情報、雷雨情報を都民に提供するシステムを確立することが必要です。都の考えをそれぞれお答えください。

豊洲新市場予定地・・環境基準をこえる汚染は三六%の地点、延べ二千二百件余

今、食の安全・安心が大きな社会問題になっており、国民は不安にさらされています。そんなときに石原知事は、食の安全が最優先されるべき卸売市場 を、あえて高濃度汚染されている豊洲地区に強行移転しようとしています。一体何を考えているのかという声が上がるのは当然です。
石原知事は、第二回定例会で、豊洲における約四千百カ所の調査で、四万三千倍のベンゼンが一カ所しか検出されなかったことを挙げて、敷地全体が高濃度の 物質で汚染されているわけではなく、その範囲は極めて限られていると答えました。しかし、環境基準を超える汚染は三六%の地点で、延べ二千二百件余り検出 されたのです。しかも、高濃度汚染は三つの街区のすべてにわたり、いずれからも満遍なく検出されているのです。知事は報告書をちゃんと読んだんですか、ご まかさないで答えてください。
百平方メートル当たり一カ所、土壌は旧地盤面の下一カ所、地下水は有楽町層と旧地盤面の間一カ所、有楽町層以下は未調査という、手抜きといわれても仕方 がない調査でさえ、これだけの汚染が検出されていたのです。知事は、それでも汚染は極めて限られているといい張るんですか、見解を伺います。

現在地再整備に立ち返るべき

 今、都は技術会議で、低価格で、しかも短期間で実施できる新技術、工法なるものを選定しています。しかし、現在このよ うな新技術は実用化されていないのです。だからこそ、環境学会からは、安かろう悪かろうになりかねないと批判が出され、専門家会議の報告書を実際につくっ たコンサル会社の人でさえも、実際にできるかどうかわからないといっているのです。知事、最も安全であるべき市場を、このような未確立の技術の巨大な実験 場にしようというのですか。都民は断じて許しません。答弁を求めます。
知事は、現在地再整備は不可能だといいます。しかし、都は一九八六年に現地再整備の方針を打ち出し、九一年に工事に踏み切ったのです。種地もあります。 アスベストも安全に除去できます。一方、豊洲移転計画は、大手量販店、流通業者を参入させるための大型計画であり、中小零細業者を排除するものです。競り 売りを基本とした現築地市場の機能を前提にすれば、豊洲のような大規模な敷地は不要であり、現地再整備は可能です。費用も、今ある積立金や土地などで賄え るものです。どうですか。違うというのなら根拠を示すべきです。見解を伺います。
現在地再整備の方が現実的です。市場の関係者もそれを望んでいます。知事、都民の不安がますます大きくなっていく中で、汚染された豊洲予定地への移転は 断念し、市場関係者とよく話し合って、現在地再整備に立ち返るべきです。知事の所見を伺い、再質問を留保し、質問を終わります。

【再質問】

 再質問します。
まず、新銀行東京です。
知事は、新銀行東京がすべての申し込みについて厳正な審査を行ったと答弁されました。だとしたら、なぜ融資関係だけで四百六十億円もの損失が生まれたの ですか。厳正な審査を行ったのであれば、旧経営陣に経営破綻の責任はないことを認めたことになるんです。それでいいんですか。それとも、「週刊朝日」など の報道はうそだというんですか。知事、しっかり答えてください。
産業労働局長は、約一万一千社の中小企業に融資、保証を行っているから、中小企業金融の役割を果たしていると答弁しました。今貸している一千億円につい て、制度融資を拡充すればいいのであって、新銀行存続の理由にはなりません。問題は、中小企業への貸し付けが、三月期決算から既に二千社も減少しているこ とです。しかも、新規の契約はほとんどないんです。貸しはがし、貸し渋りの銀行に存在意義はありません。ごまかさないで答えてください。

 豊洲問題です。
知事は、現地再整備ができない理由として、種地が確保できないことを挙げました。かつて都がつくった現地再整備計画で種地が検討されたことがあり、その ときの候補地でまだ未利用の土地があるのです。地元中央区でも、種地はあるといっているんです。ごまかすのはいいかげんにすべきです。知事、もう一度お答 えください。
市場長の答弁を聞いて本当に驚きました。これで食にかかわる市場の責任者の発言なのか、疑わざるを得ません。汚染物質は二千二百カ所余りも検出されてい るのですよ。それをあたかも、千倍以上の汚染は限られているといって、安全であるかのようにいい張っています。だったら、千倍以下の汚染は安全だというん ですか。法律に、どこにそんなことが書いてあるのか。あったら示してください。

 次に、市場原理主義の問題です。
知事は、自分が市場原理主義を都政に持ち込んだことは認めず、反省がありません。しかし、知事は、就任初の一九九九年の都議会定例会の所信表明で、福祉 に市場原理を活用すると明言したんです。それでも、知事が都政に市場原理を持ち込んだことは認めないんですか。答えてください。
最後に、知事は、市場原理主義について、殊さら過激な投機マネーの暴走だけが問題であるかのようにゆがめ、私の発言が的を射ないものであるといいまし た。とんでもありません。知事は、かつて著書で、アメリカの投機マネーを引き込むことについて、それで日本人が得られるのはアメリカに対する降伏だとまで いって批判したんです。知事、この論理でいけば、都市再生に投機マネーを参加させることもアメリカへの降伏になるのではありませんか。
その時々でくるくる変わる知事の発言は、ご都合主義そのものといえます。信用できません。違いますか。答えてください。
以上六点、再質問をいたします。ぜひ答えてください。

【答弁】

〇知事 村松みえ子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、新銀行東京の融資についてでありますが、新銀行東京では、紹介の有無にかかわらず、すべての申し込みについて厳正な審査を行い、融資の可否を判断しております。銀行への紹介が無理な融資につながるという認識には誤りがあると思います。
新銀行東京の今後についてでありますが、新銀行東京への四百億円の追加出資は、資金繰りに苦しむ中小企業を継続的に支援するために行ったものでありま す。この四百億円を手土産に、新銀行を外資系ファンドに売却するということは全く考えておりません。この銀行を都民の皆様のお役に立つ銀行として立て直す ために、あらゆる努力を今後もしてまいります。
次いで、物価高騰と都民生活についてでありますが、世界の全GDPを上回る金融資本が出回るという過剰流動性に乗った巨額な投機マネーの原油、穀物市場 への集中が価格高騰を招き、今、世界経済は景気後退とインフレの危機にさらされております。食の安全・安心を脅かす負の連鎖もとまりません。これらは、本 来政府が責任を持って取り組むべき課題でありますが、国政は迷走を続け、政治の覚悟が問われていながら、この国の未来図を示せない状況にあります。
都は、都民、国民に広がる不安を解消するためにも、首都東京から国を先導する緊急対策を展開いたします。共産党も、今回の補正予算にはぜひとも賛成をしていただきたいと思います。
都市再生と市場原理主義についてでありますが、世界経済がグローバル化する中で、多様な民間の資金を活用して都市再生に取り組む場合には、外資が参加す ることは当然のことであります。国の牽引役である東京の活力をさらに高める都市再生の取り組みと、市場原理主義による過激な投機マネーの暴走という比較に ならないものを殊さら同列に論ずることは、経済の道理を全く無視し、事の本質を見誤って、的を射ないものであります。政策を改める必要はないと信じており ます。
財政運営についてでありますが、ご指摘を受けるまでもなく、私はこの間、福祉、教育、中小企業対策はもとより、環境や治安、インフラ整備など、都民が直面する諸課題、東京の未来を切り開く施策、これらにしかるべく財源を投入し財政運営を行ってまいりました。
なお、お話を伺っておりますと、税収や基金がふえればどんどん使ってしまえとの主張のようですが、そうした安易な財政運営というのは、私の考え方とは全く相入れないものであります。
次いで、国の定額減税についてでありますが、今回、国の緊急総合対策の一項目として定額減税が掲げられました。規模や実施方式は今後の検討を待たねばな らないにせよ、国民の不安を解消するため、厳しい財政状況の中にあって、財界の規律を堅持しつつ、打つべき手を打つのは政治として当然のことであると思い ます。後先を考えずに、何につけてもばらまきを主張する共産党とは次元が異なる問題であると思います。
次いで、オリンピック招致についてでありますが、北京大会には、世界各国のIOC委員やスポーツ関係者が集まりますので、この機会を生かして積極的に招致活動を行うことは極めて効率的、効果的でありまして、当然のことであります、どの国もやっております。
招致活動は、IOCの定めたルールや議決をいただいた予算の範囲内で行っておりますので、オリンピック精神に反するとか、ばらまきという指摘はいずれも当たらないと思います。
築地市場の現在地再整備についてでありますが、豊洲地区への移転は、長い長い年月をかけて関係者間で再整備を含めてさまざまな案を検討し、議論を尽くして決定したものであります。
現在地再整備は、種地がなく、営業を続けながらの工事が困難なことや、市場に求められる新たなニーズに対応できないことなどから、不可能であると思います。このことは、本年五月に出された業界団体の大多数からの要望書においても明確に述べられております。
現在、専門家会議からの提言を踏まえ、技術会議において、新しい技術の検討も含め、確実でコスト面でもすぐれた土壌汚染対策を検討しておりまして、この 結果に基づき、都として早期に土壌汚染対策計画を取りまとめ、都民や市場関係者が安心できる万全な対策を講じてまいります。
他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。

〇教育長 学校給食費への公費による支援についてでございますが、学校給食法等によりますと、学校給食は、学校の設置者が実施をし、給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされておりますが、学校設置者の判断により、保護者の負担軽減策を実施することも可能でございます。
都立学校では、特別支援学校の児童生徒については就学奨励費により、また、夜間定時制高校の就業している生徒については夜食費補助により、保護者の負担軽減を図っております。
小中学校における給食費は、学校設置者である区市町村が、地域の実情や特性を踏まえた上でそれぞれが決定をしているものでありまして、給食費の改定や保護者負担の軽減策についても、その判断により行われているものでございます。

〇産業労働局長 八点のご質問にお答えします。
まず、新銀行東京の経営悪化の原因についてでありますが、新銀行東京が、その経営の失敗により多額の損失を発生させたことについて、旧経営陣の責任は免れるものではありません。
現在、経営悪化の原因については、新銀行東京が外部の弁護士に委託して、さらに詳細な調査を進めているところであります。調査結果は、年内を目途に取り まとめられると聞いており、お話の、紹介による無理な融資等が損失を膨らませてきたなど、推察により論じることは適当ではないと考えます。
次に、新銀行東京における融資実態の調査についてでありますが、新銀行東京では、どこからの紹介であっても、通常の融資申し込みと同様の手続を経て厳正 な審査を行っております。仮に融資の申し込みに関連して違法な行為があった場合には、監督官庁など権限を有する機関が厳正に対処すべき問題でありまして、 都として調査する考えはございません。
次に、新銀行東京の存在意義についてでございます。新銀行東京は、資金繰りに窮する中小企業を支援するために設立したものであり、平成二十年六月末現在 で約一万一千社の中小企業に対して融資、保証を行い、その残高は一千億円を超えております。このように、東京の中小企業金融において役割を果たしており、 中小企業支援とは無縁な金融機関であるというご指摘は当たりません。
次に、正規雇用拡大に関する大企業への働きかけについてでありますが、企業には、労働者派遣法やパートタイム労働法の規定に従い、非正規雇用から正規雇 用への転換に向けての取り組みが求められております。都はこれまでも、既にセミナーの開催や資料の配布等を通じて法令の周知徹底を図ってきたところであり まして、今後とも、こうした企業への働きかけを行ってまいります。
次に、最低賃金についてでございます。本年七月から施行されました改正最低賃金法では、地域別最低賃金は、労働者の生計費や類似の労働者の賃金に加えま して、生活保護との整合性にも配慮するものとされております。都内の最低賃金は、国の東京地方最低賃金審議会の審議を経て国が決定するものでありまして、 引き続き国の動向を見守ってまいります。
次に、中小企業に対する融資対策についてでございます。今回の補正予算案では、最優遇金利を適用しております経営支援融資の融資目標額を三百億円拡大し ております。これは本年度の融資実績を踏まえ、中小企業者の資金需要に緊急に対応するために必要な金額を計上したものでございます。また、あわせまして、 小規模企業者に対する信用保証料の補助率の大幅な引き上げを実施することとしております。
なお、既存融資の返済期間延長につきましては、返済負担の軽減を図る借りかえ融資を既に実施をしております。
次に、燃料高騰に対する農漁業への対策についてでありますが、原油高騰は全国的な課題でありまして、まず国において総合的な対策が講じられるべきもので あります。現在、国は、原油価格高騰対策として、補助金、税制、融資にわたるさまざまな施策を打ち出しております。都としては、その動向を注視していると ころでございます。
最後に、原油高騰対策としての、お話の、燃料への直接助成、融資への利息補助、また価格補償についてのお尋ねですが、都におきましては、既に省エネに向 けた技術指導や情報提供を行うとともに、省エネ施設導入資金や経営に必要な運転資金に対する融資制度を用意し、農漁業者の資金需要にもこたえております。
また、国においてもさまざまな施策が打ち出されておりまして、お話の対策について実施する考えはございません。

〇総務局長 二点の質問にお答えします。
まず、都の民間開放についてでございますが、都はこれまで、都民の安全・安心を確保しつつ、真に行政が担うものは何かという視点から、民間など多様な主 体による質の高いサービスの提供を図るとともに、政策対応力の一層の強化に向けまして改革に取り組み、認証保育所の設置を初め、都民が実感できる成果を上 げてまいりました。
このように、都民サービスの質的向上を図る観点から行財政改革の一環として進めてきましたのが都の民間開放でございまして、今後とも、不断の改革を推進し、都民が真に必要とする施策を展開し得る強固な行財政基盤を構築してまいります。
次に、都の正規雇用拡大についてでございますが、都の事業は、いうまでもなく都民の税金で賄われており、常に最少の経費で最大の効果を発揮することが強く求められております。
このため、都では、個々の職務内容や業務量等を十分に勘案した上で、常勤職員に加えまして、非常勤職員、臨時職員、人材派遣などを活用し、最適な組み合わせによる効率的かつ機能的な執行体制を構築しているところでございます。

〇主税局長 二点のご質問にお答えいたします。
まず、個人都民税の減税についてでございますが、都といたしましては、低所得者の方々に対しましては、税による一律の軽減よりも、きめ細かな施策として 手当てする方が公平で効果的と判断し、生活安定化総合対策事業を実施しているところでございます。したがいまして、都民税の軽減措置を行うことは考えてお りません。
次に、固定資産税等の軽減措置の拡大でございますが、現在、住民の定住確保や中小企業支援のために、土地への課税の軽減措置及び減免措置を実施しております。しかしながら、税負担の公平性等の観点から、これらの措置をさらに拡大する考えはございません。
なお、市町村でも同様の手だてが可能となるような都としての措置につきましても、考えてございません。

〇福祉保健局長 五点についてお答えいたします。
まず、低所得世帯に対する対策及び手当の支給についてでありますが、物価上昇への対策を含めて、低所得者に対する所得保障は、基本的に国の判断と責任によって実施されるべきものと認識しており、都として独自に実施する考えはございません。
次に、長寿医療制度についてでありますが、この制度は、国民皆保険制度を堅持する観点から、社会全体で高齢者を支える仕組みとして構築されたものであると認識をしております。現在、国においてさまざまな議論がなされており、これを見守ってまいります。
次に、シルバーパスの役割についてでありますが、シルバーパスは、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることを目的としております。現在、多くの高齢者がシルバーパスの発行を受け、社会参加と生きがいの活動に活用されております。
次に、シルバーパスの対象拡大についてでありますが、シルバーパスは、高齢者の社会参加活動を促進するために、利用を希望する方に対して社団法人東京バ ス協会がパスを発行し、都が補助を行っている事業であります。東京都シルバーパス条例により、シルバーパスの利用対象は都営交通及び路線バスとなってお り、新たな利用対象交通機関の拡大は考えておりません。
最後に、中学三年生までの医療費助成についてでありますけれども、これは先ほどご質問にお答えしたとおりでありますけれども、この制度のあり方について は、少子化対策を一層推進するとともに、適切な医療を提供できる体制を確保するという観点から検討することが重要であります。
都としては、このような考えのもとに、また、現行の所得制限を前提に助成内容の拡大を図る方向で検討しており、十月早々には具体案を取りまとめてまいります。
助成内容の拡大に当たりましては、小児医療現場の厳しい状況や医療保険制度の相互扶助の理念にも十分に配慮する必要があると考えております。

〇生活文化スポーツ局長 高校生に対する就学支援についてでございますが、都では、勉学意欲がありながら経済的理由により就学が困難な高校生に対しまして育英資金を貸与しているところでございます。
また、私立高校につきましては、各学校の運営費に対する補助や、一定所得以下の保護者を対象に特別奨学金補助を実施し、保護者の経済的負担の軽減を図っている状況にございます。
こうしたことから、お話の新たな支援策につきましては考えておりません。

〇財務局長 二点のご質問にお答えいたします。
まず、臨時職員の賃金についてでございますが、都の臨時職員は、一時的、臨時的な行政事務の増加に弾力的に対応することを目的に各局で雇用されるものでございまして、毎年度の予算見積もりに当たって、適切に算定した賃金の参考単価を各局に通知しております。
次に、都の公共事業についてでございますが、今回の措置は、特定の資材価格が短期間で急激に高騰した状況に対応するために実施したものであり、単品スライド条項の適用が最も適切でございます。
なお、単品スライド条項の手続や最低制限価格については、都独自の方針や改善策を既に公表しております。

〇都市整備局長 四点のご質問にお答えいたします。
まず、外環についてでございますが、外環は、首都圏の人と物の流れを円滑化するとともに、快適で利便性の高い都市を実現する上で必要不可欠な道路でございます。今後も国に対し、平成二十一年度に事業着手するよう、あらゆる機会をとらえて強く働きかけてまいります。
また、外環の地上部街路である外環ノ2につきましては、関係区市等から出されました要望を踏まえ、この道路の必要性やあり方などにつきまして、広く都民の意見を聞きながら検討を進めてまいります。
次に、持続可能な都市づくりについてでございますが、東京が環境と調和した国際競争力を有する都市であり続けるためには、三環状道路を初めとする都市施 設の計画的な整備や、都市活動が集中する都心部の更新が不可欠であります。今後も、都市活動に伴う環境負荷の低減を図りつつ、高度な都市機能を備えた東京 の実現を推進してまいります。
次に、公園を倍増させる計画とのご指摘でございますが、計画的、効率的に公園等の整備を促進するため、平成十八年三月に、都区市町共同で都市計画公園・ 緑地の整備方針を策定し、今後重点的に取り組むべき公園、緑地を明らかにいたしました。現在、この方針に基づき、都と区市町は、事業の優先度や財源の状況 を勘案し、鋭意整備に取り組んでおります。
最後に、がけ地の開発の規制でございますが、がけ地等での開発行為の許可に当たりましては、がけの崩壊に対する安全を確保するなど、関係法令等に基づき適切に対応しております。
また、雨水の浸透、貯留の推進でございますが、昨年八月に、都は、局所的な集中豪雨に対応するため、東京都豪雨対策基本方針を策定いたしました。現在、 この方針に基づき、流域の特性や土地利用の状況などを踏まえて、貯留施設や浸透施設の設置などを重点的に進めております。

〇環境局長 緑地の保全についてでございますが、緑地等の自然地の開発に際しては、自然保護条例に基づく開発許 可制度により、自然環境の保全に配慮した計画とするよう事業者を指導するなど、適切に対応しております。また、都はこれまでも、地元自治体等と連携し、里 山などの保全に努めており、今後とも緑の保全に取り組んでまいります。

〇建設局長 豪雨情報などの提供についてのご質問にお答えいたします。
都は、既に平成十四年度から、水防災総合情報システムや東京アメッシュで、降雨や河川水位の情報をインターネットにより都民に提供してまいりました。
これらの情報システムについては、広報誌などで都民に周知を図っており、平成十九年度の実績として、携帯電話などから一千三百万件を超えるアクセスがあり、多くの都民に利用されております。
今後とも、都民の安全・安心を確保するため、引き続き情報提供に努めてまいります。

〇中央卸売市場長 築地市場の移転に関する四点の質問にお答えいたします。
まず、新市場予定地の土壌汚染の状況についてでございますが、敷地全域にわたる四千百二十二カ所の詳細調査の結果、環境基準を超過した割合は三六%でご ざいますが、千倍という倍率で見ましても、これを超える物質が検出されたのは、土壌で二カ所、地下水で十三カ所でございます。
さらに、詳細調査で一定の汚染物質が検出された四百四十一カ所において、深さ方向に土壌ボーリング調査を行いました。この絞り込み調査の結果、三千百三十四検体のうち、二二%が環境基準を超過しましたが、千倍以上の物質が検出されたのは、七カ所、七検体でございます。
なお、街区別では、千倍以上の物質が検出されたのは、五街区で三カ所、六街区で十六カ所、七街区では検出されてございません。
次に、新市場予定地の土壌汚染の範囲についてでございますが、調査結果を平面方向で見ますと、高濃度の汚染物質が検出された箇所は、六街区の東京ガス株 式会社操業時の旧空き地区域に集中しており、敷地全域に高濃度の汚染が広がっているわけではなく、汚染の範囲は限定的でございます。深さ方向について見ま すと、詳細調査で汚染物質が検出された箇所においても、操業時の地盤面から不透水層上端まで全体が汚染されているわけではなく、部分的に点在している状況 にございます。
次に、技術会議についてでございますが、技術会議は、専門家会議の提言を踏まえ、土壌汚染対策を具体化するために設置したものでございます。現在、新技 術や新工法を広く民間事業者等から公募しており、今後、提案された内容を土木、環境分野などの専門家委員により評価、検証した上で、科学的根拠に基づいた 具体的内容で、確実に効果が得られ、工期や経費などでもすぐれた対策を選定することとしております。
最後に、現在地再整備の可能性についてでございます。
豊洲新市場は、中小の小売店、飲食店から量販店まで、あらゆる顧客のニーズにこたえていくこととしております。このため、新市場の施設の検討に当たりま しては、これからの市場に求められる新たな機能を盛り込むとともに、卸、仲卸、小売等の市場業界団体と協議を重ね、その要望を取り入れた上で施設内容を取 りまとめてきました。
現在地で再整備を行った場合には、敷地が狭隘なため、こうした業界団体の要望や新たな機能を盛り込むことができないことに加え、種地が確保できず、営業を継続しながらの工事が困難なことから、再整備は不可能でございます。
また、財政面においても、中央卸売市場の保有する資金では再整備に要する事業費を賄えず、跡地の売却収入も見込めないことから、実現性のある再整備の計画を策定することができない状況にあります。

【再質問答弁】

〇産業労働局長 再質問にお答えをいたします。
すべての案件について厳正な審査を行っているということと不良債権化とを結びつけたお話でありますけれども、厳正な審査とお答えをいたしましたのは、申 込者によって恣意的な審査をすることはないという意味で申し上げているわけで、そのことで不良債権化したことと結びつけてのお話は意味がない話だというふ うに思います。
それからもう一点の、新銀行東京の存在意義の私の答弁についてでございますけれども、ご質問で存在意義がないというような、いわば新銀行の存立の根幹に ついての評価をするのであれば、単に直近の貸し出しのフローについて論ずるべきではなくて、ストックとして現にどれだけの貸し出しが今行われているかとい う、そういう側面も同時に評価すべきであると、当然のことを申し上げたまででございます。

〇中央卸売市場長 まず、種地についてでございますが、現在の築地市場、約九四%の敷地が建物、通路、荷さばき 場等で使用されておりまして、六%ほどしか余裕がございません。この六%も、散在をしている状況でございまして、再整備に当たっての種地というものは確保 できる状況にないというふうに考えております。
次に、汚染の範囲でございますが、高濃度の汚染は極めて限られた範囲でございまして、専門家会議も、対策は十分に可能であるというふうな見解を表明しております。

〇総務局長 市場原理の導入の件についてお答えさせていただきます。
先ほどお答えしましたように、都はこれまで、都民の安全・安心を確保しつつ、真に行政が担うものは何かという観点から、民間など多様な主体による質の高 いサービスの提供を図ってまいりました。認証保育所の設置を初め都市再生、こういったものを含めまして、都民が実感できる成果を上げてまいりました。
このように、都民サービスの質的向上を図る観点から進めてまいりましたのが、都の民間開放でございます。

〇知事本局長 市場原理主義についての再質問についてでございますが、先ほど知事が答弁したとおり、世界経済がグローバル化する中で、多様な民間の資金を活用して都市再生に取り組む場合に外資が参加することは当然でございます。
また、都が進めてきた都市再生の取り組みと市場原理主義による過激な投機マネーの暴走という、比較にならないものを同列に論じること自体、意味のないものと考えております。
したがって、これをもって知事の責任とする指摘は全く当たりません。
いずれにいたしましても、今後とも適正に対処してまいります。

「都立高校改革」と進路指導について文書質問をしました(08.03.27)

「都立高校改革」と進学指導について

                                                                                                                                     2008.03.27

  2008年第1回定例会 文書質問趣意書

「都立高校改革」と進学指導について

清水ひで子(日本共産党)

 私はこれまで「都立高校改革」にもとづく、普通高校や専門高校、定時制高校などの統廃合による子どもたちへの影響などについて文書質問で指摘してきました。今回は、進路指導重点校の問題で、生徒の心が傷つけられている実態について質します。

都は、「都立高校改革」の1つとして「長期低落傾向に歯止めのかからなかった都立高校の進学実績の向上にむけて」として、「過去の進学実績、学力検査問 題の自校作成、進学対策の状況などを総合的に勘案し」、2001年以降、日比谷、戸山、西、八王子東、青山、立川、国立の7校を進学指導重点校に指定しま した。そして昨年4月、これらの取り組み状況報告を公表しました。この「報告書」は、各校の取り組み状況とともに、東大、東工大、一橋大、京大の国立4大 学や国公立医学部医学科、早稲田、慶応、上智の私立大学をことさら強調して取り上げ、高校別の各大学の合格者数、現役合格者数などが掲載されています。

これに関連し、都立高校の保護者などから問題を指摘する声が寄せられています。

例えば、現在3年生のある都立高校生は、国公立志望でT大を受験しましたが、不合格だったそうです。いわゆる「模試」の結果ではE判定で、受験しても到 底合格の見込みのない状態だったそうですが、学校では、一段上の目標に向けさせて学力向上を図るということでT大を勧め、「本人もその気になってしまっ た」そうです。親御さんとしてはリスクが大きすぎると思いましたが、子どもが学校を信頼している様子から、強いて断念させることはしなかったとのことで す。

しかしこの親御さんは今回、進路指導に関するお子さんの学校の実績を改めて見て、愕然としたそうです。余りにも難関校に多く受験させ浪人を出している、 また不本意な私大進学に回っている、たとえばT大への合格率は、3分の1どころかそれ以下となっているとのことです。「実力不相応に難関校を受験させ、あ わよくば現役合格の絶対数を多くしたい、という意図がありありで、実際には過大なリスクを生徒父兄に負わせ、結果的に子どもたちの心を傷つけている」と、 訴えています。

ある高校の「経営計画」をみると、「現役進学者における3学年当初の高い第1位志望決定率55%以上」、「国公立大学合格者数(現浪)150名」、「セ ンター試験受験者のうち5教科7科目型受験者数200名」、「センター試験の5教科7科目型(900点満点で)、平均700点」などと、数値目標をかかげ てとりくんでいることがわかります。都教委の「報告書」でも、各高校の数値目標と達成度が一覧で掲載されています。

学校が具体的目標をもつことは大事かもしれませんが、こうした数字がかかげられることで、教員、生徒がこれに向かって走らされていくことは明白です。こ ういう中で、生徒本人の希望を大切にした進路指導やその生徒の成長よりも、とにかく数値目標の達成が重視され、前に述べた学校の場合、目指す学校像「自ら の力で伸びようとする生徒」とも異なる方向に向かうこともあり得るのではないですか。そこで伺います。

Q1、進学指導重点校で、実力以上に難関な受験を子どもに押しつけていることは事実なのですか。実態を把握するべきではありませんか。

Q2、なぜ都教委が、高校ごとに「難関大学」の合格者数を発表しているのですか。

Q3、こうした公表が、やみくもに学校に合格者数を競わせることにつながると思いませんか。

Q4、学力の向上や本人の進路希望の実現などは否定するものではありませんが、生徒にこのような影響がでていることも把握し、生徒に、学校の目標達成を第1においた要求やプレッシャーを与えないことが重要ではないですか。

実際、ある高校では07年度、先に述べた国立4校と国公立医学部医学科に、現役生徒が76人も受験していますが、15人しか合格していません。各大学へ の受験者数に対する合格者数の割合をみると、東大が32%、一橋大11%、東工大17%、京大0%、国公立大学医学部医学科14%と、10人に1人か2人 しか合格しない状況です。

受験校の決定にはさまざまな要素が関係しているとは思いますが、実際にお子さんを通じてその高校の進路指導を経験した親御さんが、受験者数にくらべてあ まりにも合格者数が少ないと驚き、「『成果』を焦るあまり、こうした無理な難関校への受験を誘導していると思われてならない」と、生徒本位の進路指導とい うより、自分の子どもが学校の目標達成の手段とされたと感じているのです。そして、「これからも、私の子どものような犠牲者がでないよう、国立4大学への 現役合格絶対数を競わせるような、都教委のやり方を是正させてほしい」と語っています。

Q5、都教委が「難関国公立大学」や「難関私立大学」への合格者数を競わせるようなやり方を改め、子どもの心を傷つける進路指導の歪みを正すことが求められているのではないですか。

都教委はこの間「都立高校改革」として、学校の多様化・複線化路線を展開し、各校に、予算や教員の加配などを獲得したかったら特色化せよと、各校を競争 させるやり方を展開しています。しかしこの路線のもと、無理に無理を重ねたやり方となり、生徒や保護者がむやみな競争に追いやられたり、学校の「特色」に 生徒の方が自分を曲げて合わせなければならないなどの、矛盾と苦しみに満ちた訴えが、少なからず私たちのところにも寄せられています。

私は、「都立高校改革」による二商と八王子工業の統合で、この2つの学校が生徒や地域のニーズを捉え地域と協力してつくり上げてきた伝統、本当の特色を つぶし、一方的な「特色」を押しつけている問題、また、4校あった八王子市内の夜間定時制高校が昼夜間定時制の拓真高校に統廃合され、入試倍率があまりに 高くなり不合格の生徒が続出した問題などを、当事者の声にもとづき質してきました。生徒や保護者は身近に通える普通の都立高校に行きたいと願っているの に、全日制の普通科が1つもなくなってしまった区市町村もあります。不登校や中退などの生徒を受け入れるとするチャレンジスクールは3倍の入試倍率と、 せっかくチャレンジしようとした子ども達をはねつけるものになっています。

こうした矛盾を招いている根底には、都教委の「改革」が、すべての子どもたちの成長を保障するという立場ではなく、「人材」育成に重きを置いた差別と選 別の路線によっていること、そして教育にはなじまない「競争原理」を学校現場に持ち込んでいることがあるのではありませんか。

Q6、今日の時点にたって「都立高校改革」と再編整備の現状を把握し、どの子にも教育の場を保障するという立場に立って、問題点について修正の方向に踏み出すべきではありませんか。

Q7、希望するすべての生徒が、希望にそった高校に入学でき、いきいきと学べる環境を整備することが求められていると考えますが、どうですか。

以 上